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日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4298】甲子 純米大吟醸 生原酒 直汲み しぼりたて(きのえね)【千葉県】

2020.8.15 21:41
千葉県印旛郡酒々井町 飯沼本家
千葉県印旛郡酒々井町 飯沼本家

 休日の夕方、ふらりと近所のうなぎ屋へ。うなぎはもちろん美味しいのだが、酒がいい。定番酒はありきたりの地酒3種類ほどだが、店主の“隠し酒”が面白い。この場合の面白い、は特段意味のある言葉ではない。わたくしの興味をそそる酒が多い、ということだ。どんなルートで入れているのか興味のあるところだが、あえて聞かないことにしている。

 席につくと、店主が、いつものようにおすすめのお酒を抱えて持ってきた。今回は「きのえね 純米大吟醸 生原酒 直汲み しぼりたて」だった。飯沼本家のお酒は当連載でこれまで、4種類を取り上げている。主銘柄は「甲子正宗」である。さて、いただいてみる。

 青リンゴをおもわせる果実香が非常に華やか。甘旨酸っぱい味わい。甘みが強く、飴を煮詰めた感がすこしする。南国フルーツを食べているような、非常にジューシーな印象。濃醇、分厚い。余韻は軽い苦みと辛み。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「アルコール分16度、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合50%、製造年月19.12」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 しかし、蔵のホームページはこの酒を「当社が得意とする香りの高い純米大吟醸を直汲みしました。原料米には千葉のブランド米『ふさこがね』を使用。程良い酸味と余韻の軽快さをお楽しみください」と紹介使用米が「ふさこがね」であることを開示している。

 使用米の「ふさこがね」は、千葉県農業総合研究センター育種研究所が1995年、「中部64号」と「千葉6号」(ふさおとめ。その片親は「ひとめぼれ」)を交配。選抜と育成を繰り返して品種を固定。2004年「ちば28号」と命名、2007年に種苗法登録された主食用米。正式名は「ちば28号」で、「ふさこがね」は一般公募で選ばれた愛称。

 酒名「甲子正宗」の由来について、日本の名酒事典は「酒名は、十干十二支の最初である甲子に、一番優れた酒であるようにとの願いを込めて命名」と説明している。

 また千葉県八千代市の美好屋酒店のサイトは、以下のように説明している。「『甲子』の名前の由来は、現社長の4代前の当主が、元治元年(1864年)の甲子(十干十二支の最初の年)の年の生まれで、『関東一の酒屋に』という志を持っていた事と甲子の年が縁起が良いということで『甲子』と命名されました」

酒蛙

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