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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4294】山和 純米吟醸 Pulito(やまわ)【宮城県】

2020.8.11 14:33
宮城県加美郡加美町 山和酒造店
宮城県加美郡加美町 山和酒造店

【E居酒屋にて 全9回の⑥】

 コロナ禍による非常事態宣言が解除された当地では、居酒屋が徐々に営業を再開してきている。なじみのE居酒屋も同様だ。この店は、酒の品揃えのセンスがなかなか良いので気に入っている。久しぶりに暖簾をくぐった。

「花邑」「東の麓」「白岳仙」「七本鎗」「聖」と飲み進め、6番目にいただいたのは「山和 純米吟醸 Pulito」だった。山和酒造店のお酒は、当連載でこれまで、「山和」4種類、「わしが國」2種類を取り上げている。

「山和」を最初に飲んだのは2010年11月、宮城県石巻市の寿司屋で。このときは「山和 特別純米」(当連載【354】)を飲んだのだが、セメダイン香(酢酸エチル)が強く出ており、一発で記憶に残った。わたくし、セメダイン香のお酒が好きなのだ。そして、このとき飲んだお酒の、圧倒的なパンチ力にわたくしはKOされたのだった。だから、今もって「山和=セメダイン」という印象が強く強く脳裏に刻み付けられている。さて、今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 やわらか、ふくよか、きれいな口当たり。これが第一印象だった。ん? あの強烈なパンチ力はどうした? このように、最初の一口を飲んだときの印象は「山和がやさしくなったなあ」だった。しかし、バナナのようなフルーティーさ、セメダイン的な「山和」らしい香りは健在だ。とはいっても、以前と比べ、大人しいセメダイン香だ。味わいでは、甘みをまず感じ、次に酸が出てくる。ややジューシー。中盤からエンディングは辛み。ひとことで言うならば、以前のやんちゃ酒が、上品なお酒に成長した、とでも。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「Pulitoとはイタリア語で『綺麗な・澄んだ・洗練された』という意味で 2010年ワールド・ワイド・ソムリエ・アソシエーション世界優勝者 ルカ・ガルディーニ氏によるコメントです」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、使用米 山田錦100%使用、精米歩合50%、アルコール分16度、製造年月1.12」。

 山和酒造店は創業以来、「わしが國」を主銘柄に掲げてきた。この酒名は、仙台藩の名物を歌った「わしが國さ」が由来。7代目が蔵に戻ってからは、新たに「山和」というブランドを立ち上げた。地元では「わしが國」が中心だが、宮城県外では「山和」の方が知られているかもしれない。

酒蛙

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