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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4283】萩の鶴 生メガネ専用 特別純米 生原酒 うすにごり(はぎのつる)【宮城県】

2020.8.1 17:57
宮城県栗原市 萩野酒造
宮城県栗原市 萩野酒造

【B居酒屋にて 全8回の③】

 コロナ感染防止のための緊急事態宣言が解除された当地では、居酒屋が徐々に営業を再開している。なじみのB居酒屋も5月7日から営業を再開した。さっそく暖簾をくぐったが、まだ客は戻っていないようで、店長やスタッフは浮かない顔だ。しかし、居酒屋できちんと飲むのは1カ月ぶりというわたくしは、大張り切りで8種類の酒を飲んだ。

「獅子吼」「東一」と飲み進め、3番目にいただいたのは「萩の鶴 生メガネ専用 特別純米 生原酒 うすにごり」だった。萩野酒造のお酒は、ずばり、わたくしの口に合う。このため必然的に当連載でこれまで、30種類のお酒を取り上げている。

 中でも、一大センセーションを起こしたのは「萩の鶴 特別純米 メガネ専用」(当連載【3130】)だった。「全員メガネの蔵人で造りました」がキャッチフレーズのお酒、瓶のラベルにメガネの絵、肩ラベルに視力表を貼り付けるなど遊び心十分。それでいて、キワモノ風の“顔”とは裏腹に、非常に真っ当な味わい。その落差が楽しかった。2017年10月のことだった。

 蔵のホームページは当時、この酒を以下のように紹介していた。

「香り、味わい、インパクトのある酸味を両立した火入れ酒です。それら全てを際立たせる為、それぞれを別に仕込み、最適な割合でブレンドしました。日本酒業界では1タンクは1商品の方がいいという考え方が少なからずあるように見受けられますが、目標とする酒質を達成するための手段としての『ブレンド』は非常に有効であり、それは確かな技術であると考えています。今年はより安定させるためににごらない火入れタイプといたしました。よく冷やしてお召し上がりください。また、熟成には向きません。メガネをかけると、より一層楽しくお召し上がりいただけます(笑)」

 今回のお酒は、その生酒バージョンだ。

「うっ、これは旨い!」。含んですぐ、声に出た。甘旨みがたっぷり。そして、酸がなかなかいい感じに出ており、甘旨酸っぱくて深い味わい。非常にジューシーだ。余韻の苦みが強い。「萩の鶴」は総じて余韻の苦みがよく出ているが、今回のお酒は強く出ている、と感じた。この苦みがいいのだ。「メガネ」の火入れを飲んだのは3年前だから、記憶はまるでアテにならないが、今回の「生」は、「火入れ」より、口当たりがまろやかで、苦みが強い、と感じた。そう感じるのは、わたくしだけだろうか。

 瓶のラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合60%、アルコール分16度、製造年月2020.4」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だが、ブレンド酒なので、表現不能なのだろうか。

 酒名「萩の鶴」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「ここ金成有壁(かんなりありかべ)は、その昔『萩の村』と呼ばれていました。その名の通り萩の花の美しさで知られ、今でもたくさんの萩が見られます。そこから『萩』をとり、縁起のよい『鶴』と組み合わせて名付けました。昔から地元で幅広く愛されてきた当蔵の中心銘柄で、宮城らしいキレイでスッキリとした飲み飽きのしない酒質を目指します。味の濃すぎない上品な和食や、クセの強過ぎない新鮮な海の幸等と合わせて欲しいお酒です」

酒蛙

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