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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4276】七本鎗 低精白純米 80%精米 火入れ(しちほんやり)【滋賀県】

2020.7.25 14:24
滋賀県長浜市 冨田酒造
滋賀県長浜市 冨田酒造

【E居酒屋にて 全12回の⑪】

 ほぼ4年ぶりにE居酒屋の暖簾をくぐった。この店は酒の品揃えがなかなか素晴らしいのだが、どういうわけか近年縁遠く、不義理を欠いていたわたくしだったが、ママはにこやかに迎えてくれた。

「花笑み」「新橋の男達の酒」「御前酒」「黒澤」「水尾」「〆張鶴」「久保田」「蓬莱泉」「開運」「笑四季」と飲み進め、11番目にいただいたのは「七本鎗 低精白純米 80%精米 火入れ」だった。「七本鎗」は飲む機会が多く、当連載でこれまで、9種類を取り上げている。派手さは無いが、しっかりした味わいのお酒、というイメージを持っている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 直前に「笑四季」を飲んだせいか、「七本鎗」を最初の一口目を飲んだとき、すっきりした口当たりに感じた。しかし、その後、瞬時に酸と旨みを感じる。しかし、濃醇とまではいかず、キレが良くドライ感のある辛口酒、と言った方がよいかも。甘みも奥にすこし。味わいは、非常に複雑で、ひところの、生酛山廃的な味わいに感じた。派手さがなく、地味にじわじわ旨みが出てきて落ち着き感がある、といういかにも「七本鎗」らしい酒質だとおもった。燗上がりがしそうなので、燗酒を飲めば、もっと饒舌に感想を書くことができるとおもうが、今回は冷酒だけにとどめた。

 瓶の裏ラベルは、このお酒を「精米をあえて80%に抑えた酒米を用い、米本来の旨味を引き出した、しっかりとした味のお酒です」と説明している。

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、酒米 滋賀県産玉栄100%使用、精米歩合 麹米65% 掛米80%精米、アルコール分16度、酵母 協会701号、製造年月2019.8月」。使用米の「玉栄」は愛知県農業試験場が1954年、母「山栄」と父「白菊」を交配。育成と選抜を繰り返し開発、1965年に命名された酒造好適米。現在は滋賀県を中心に栽培されている。

 酒名「七本鎗」の由来についえ、裏ラベルは、以下のように説明している。「琵琶湖の最北端、賤ヶ岳山麓の旧北国街道沿いで歴史を刻む酒蔵。銘柄は賤ヶ岳の合戦で武功を立て秀吉を天下人へと導いた加藤清正、福島正則ら七人の若武者『賤ヶ岳の七本鎗』に因む」

 また、蔵のホームページは以下のように説明している。「『本能寺の変』の翌年 天正11(1583)年、信長の跡目をめぐって羽柴(豊臣)秀吉と柴田勝家が戦った『賎ケ岳の戦い』で勇猛果敢な働きによって秀吉に天下人へ道を開くきっかけを開いた七人の若武者、加藤清正・福島正則・片桐且元・加藤嘉明・脇坂安治・平野長泰・糟谷武則を称えて『賎ケ岳の七本槍』と呼ぶ」

 ラベルの字は、この蔵に縁があり逗留した北大路魯山人の手による篆刻を使用。

酒蛙

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