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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4272】久保田 千寿 吟醸 生原酒(くぼた せんじゅ)【新潟県】

2020.7.21 12:31
新潟県長岡市 朝日酒造
新潟県長岡市 朝日酒造

【E居酒屋にて 全12回の⑦】

 ほぼ4年ぶりにE居酒屋の暖簾をくぐった。この店は酒の品揃えがなかなか素晴らしいのだが、どういうわけか近年縁遠く、不義理を欠いていたわたくしだったが、ママはにこやかに迎えてくれた。

「花笑み」「新橋の男達の酒」「御前酒」「黒澤」「水尾」「〆張鶴」と飲み進め、7番目にいただいたのは「久保田 千寿 吟醸 生原酒」だった。朝日酒造のお酒は「久保田」をはじめ飲む機会が多く、当連載でこれまで、18種類を取り上げている。

 今回いただいた「久保田 千寿」は以前、「特別本醸造」(当連載【479】)だったが、蔵のホームページを見ると現在は、「久保田 千寿 吟醸」「久保田 千寿 吟醸 生原酒」「久保田 千寿 純米吟醸」のランナップとなっており、以前より格上げされた。さて、いただいてみる。

「おっ」。おもわず口に出た。「久保田」にしては、珍しく酸が立っている、と感じたからだ。含み香にアルコール感があり、すこし木的香りも感じる。酸のほか、濃醇な旨みも出ており、中盤から辛み。この辛みが強く、余韻も辛み。“アルコール強い感”があり、ラベルを見たらなんとアルコール分19度。強いわけだ。このため、非常に力強い辛酸酒だ。飲み進めていったら、甘みがすこし感じられるようになる。この酒をひとことで言い表すなら、とにかく力強い酒。これまでの「久保田」のラインナップにはなかったタイプのお酒。「久保田」のやんちゃ坊主だ。

 瓶の表ラベルはこの酒を以下のように紹介している。「冬だけの『久保田 千寿 吟醸』の生原酒 生酒ならではのフレッシュ感 原酒ならではの 濃厚な味わいと力強い香り 寒造りのしぼりたてをお届けします」

 また、蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。

「寒造りと言われる、最も酒造りに適している1月から仕込み始める『久保田 千寿 吟醸生原酒』。冬だけお楽しみいただける、搾りたての『久保田 千寿』の生原酒です。低温で仕込み、ゆっくりと糖化と発酵を進めることで、加水をしないアルコール度数の高い原酒でも、味のやわらかさを感じていただける仕上がりになっています」
「搾りたてのフレッシュな口当たりと、原酒ならではの濃厚な味わい、そして、力強い香りが特長のお酒です。もちろん、千寿本来の飲みやすさとキレもそのまま。さっぱりとした料理でもコクのある料理でも、冬の味覚にぴったりの一杯です」

 裏ラベルのスペック表示は「すっきり 濃醇 冬限定の搾りたて、原材料名 米 米麹 醸造アルコール、精米歩合 麹米50%/掛米55%、内容量 1830ml、アルコール分19度、製造年月20.01」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。しかし、蔵のホームページでは以下のように開示している。「原料米(精米歩合)麹米 / 掛米 五百万石 50% / 五百万石 55%、アルコール分19度、日本酒度+5.0、酸度1.4」

 酒名「久保田」の由来について、蔵のホームページは「創業時の屋号を冠し、品質本位の酒造りに決意を込めた酒」と説明している。

 蔵名「朝日」の由来について、日本の名酒事典は以下のように説明している。「天保元年(1830)の創業。この地に住み着いた木曽義仲の家来が、亡主の異名“朝日将軍”にちなんで地名を“朝日”と命名。また、義仲愛用の太刀を祀った神社に剣権現(朝日神社)の称を与えた。それ以降この神社のある小高い山は朝日山と呼ばれるようになった。『朝日山』の酒名は蔵の正面に位置するこの山からろられている。仕込水には、剣権現の境内に湧く“宝水”が使用されている」

酒蛙

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