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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4256】山本 純米大吟醸 木桶仕込み Ice Blue(やまもと アイスブルー)【秋田県】

2020.7.2 21:38
秋田県山本郡八峰町 山本合名
秋田県山本郡八峰町 山本合名

【Z料理店にて 全2回の②完】

 前日、近所の銀行に行ったら、なじみの料理店の店主に声をかけられた。「コロナで大変でしょう?」と聞いたら「大変なんてものではない。このままだと死んでしまう」。気の毒になり翌日、暖簾をくぐった。店内はやっぱりがらがらだった。この日は、半合グラスで6種類の酒を飲んだが、うち2種類は当連載で紹介したことがなかった酒。よって今回はその2種類を取り上げる。

 まずいただいたのは「上喜元 全国新酒鑑評会 金賞受賞酒」(平成29年度の全国新酒鑑評会)。次に飲んだのは「山本 純米大吟醸 木桶仕込み Ice Blue」だった。

 この蔵のお酒は飲む機会が多く、当連載でこれまで22種類を取り上げている。内訳は「山本」15種類、「白瀑」5種類、「ど」2種類。全体的に濃醇酸味酒という好印象を持っている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 若いバナナ香とセメダイン香(酢酸エチル)が混じったようなさわやかな香りをすこし感じる。旨みと酸が、いい感じで出ており、ジューシー。飲み口はやわらかで、ふくよか。まとまりのある、味わいと酒質。これまでの「山本」には、はつらつさと、やんちゃ元気な部分を感じてきたが、この酒は、派手さは無く、とんがったところも無く、落ち着き感があるように感じた。と同時に上品さも感じた。実に旨い。しみじみと旨い。飲み会で、わいわい騒ぎながら飲む、というより、襟を正し静かな雰囲気の中で飲みたいお酒だ。

 蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。「秋田杉の木桶で仕込んだ限定酒。発売は不定期で年3回程。商品名はラベルや箱に使用した青い箔が氷の結晶のように見えたので、そこから名付けました」。酒名「Ice Blue」は、酒質とは関係なかったのだ。

 木桶について、千葉市の酒販店「いまでや」のサイトは、以下のように説明している。「国内で唯一の使用されている【秋田杉】製の木桶で仕込まれたお酒です。江戸時代までは『木桶』でつくられていた日本酒。時代とともに費用対効果、管理・保管の難しさ、酒税の関係でホーロータンクに切り替わったといいます。そんな背景がありほぼ絶滅した木桶ですが、最近は原点に立ち返り復活させる蔵が現れ始めました。ものすごい管理に手間がかかる木桶で仕込まれた魂のこもった味わいをご堪能ください」。なんと、山本合名の木桶は、国内唯一の秋田杉製の木桶だったのだ。ほかの酒屋さんのサイトによると、この木桶の厚さは5cmもあるとか。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「精米歩合45%、原材料名 美郷錦100% 米(秋田県産)米麹(秋田県産米)、アルコール分15度、製造年月2020.4」。ホームページではさらに「日本酒度+3」と公開している。

 使用米「美郷錦」(みさとにしき)は秋田県農業試験場が1987年、母「山田錦」と父「美山錦」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。1999年に命名、2002年に種苗法登録された酒造好適米。わたくしの個人的な印象ではあるが、「美郷錦」で醸したお酒は、軽快できれいなお酒ができる傾向にあるとおもう。

 この蔵の主銘柄は「山本」と「白瀑」(しらたき)。「山本」は蔵元さんの名字。「白瀑」の由来について、コトバンクは「酒名は、慈覚大師ゆかりの白瀑神社と名瀑『白瀑』に由来」と説明している。

酒蛙

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