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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4220】千利休 特別純米 全量山田錦(せんのりきゅう)【大阪府】

2020.5.6 14:10
大阪府堺市 堺泉酒造
大阪府堺市 堺泉酒造

【A居酒屋にて 全11回の④】

 4~5カ月に1回、ほぼ定期的に開いている、オタマジャクシと美女軍団との飲み会。オタマジャクシは、カエルのわたくしより年下なのでオタマジャクシを自称している。会場のA居酒屋はなんと、2日後に店を閉めるんだそうな。びっくり仰天だ。オーナーのNさんには、わたくしにとってのさまざまな“初蔵酒”を用意してもらった。長年のご労苦に感謝、感謝、だ。Nさんは新しい店を開く気満々。いつになるのか。楽しみだ。そして、また“初蔵酒”を用意していただきたい。

「栄光冨士」「七歩蛇」「忠臣蔵」に続いて4番目にいただいたのは、「千利休 特別純米 全量山田錦」だった。「七歩蛇」「忠臣蔵」同様、この酒もわたくしにとっての初蔵。オーナーのNさんが見つけてくれた。ありがたい。感謝、感謝、だ。

 茶聖とも称せられる千利休は、堺の出身。堺の酒蔵として、利休の名を酒名にしたものだ。さて、いただいてみる。

 酒蛙「直前に飲んだ『忠臣蔵』と味が似ている。熟成香的香味が感じられ、辛い」
 オタマジャクシ「辛い」
 酒蛙「辛みが酸を伴う。総じてしっかりした味わいのお酒だ。すこしノスタルジック感がある」
 美女MOさん「直前の酒と味が似ていますね」
 うっちー「似ている」

 瓶のラベルは、この酒を以下のように紹介している。「原材料に酒造好適米の山田錦を100%使用した、長期低温発酵の醪を搾った特別純米酒です」。また、蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。

「原料に兵庫県の山田錦を65%に精米したものを100%使用し、低温でじっくりゆっくり丁寧に長期間発酵させたモロミを搾った特別純米酒です。搾った後も、丁寧に最小限の濾過のみを行い、お米の旨味や香り、味わいをしっかりとひきだしたお酒です。やや甘めの優しい味わいは、冷やしたり常温で飲んでもらうのがおすすめです」

 これは驚きだった。わたくしたちはこの酒を「辛い」と感じたが、蔵のホームページはなんと「やや甘めの優しい味わい」と紹介しているではないか。人によって感じ方が違うのは承知しているところだが、これほど違うとは、驚きしかない。

 瓶のラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)山田錦100%、精米歩合65%、アルコール分16度、製造年月19.12」。

 この蔵は、新たに開いたものだった。その経緯について、蔵のホームページが説明しているので、以下に転載する。なお、説明文は長かったので、わたくしが要約した。

「かつて堺は日本有数の酒どころであった。明治以降も、堺の酒造業者の鳥井駒吉(現アサヒビールの創始者)が瓶詰め酒を考案し(それまで日本酒はすべて樽詰め・小売りは量り売り)、流通の革新に貢献。また、醸造改良試験所や醸造組合も堺の酒造業者が他に先駆けて設立するなど、日本酒の普及、業界の発展を牽引してきました。
 ところが、堺の酒造業は大正時代をピークに、昭和に入ってから下降を続け、明治13年には95軒もあった蔵元が昭和8年には24軒まで減少し、昭和46年を最後に堺の酒づくりの火は消えてしまいました。
 私達が堺の地に酒蔵を再建し、堺の地酒の復興を企図し、さまざまな活動を続けてきたのも、かつての会合衆の気概にならい“自由都市、町衆文化の町・堺”の輝きと活力を取り戻したいと願うからに他なりません。私達が送るお酒が活力ある町づくりに少しでもお役に立ち、町づくりのシンボルにしていただけば…そんな思いを込めて酒名も、この地に生誕し茶の湯を確立した利休翁の名を借りて『千利休』とさせていただきました。
“堺の地に酒蔵を”と決意し、酒造免許の取得や用地の確保に奔走して約10年。熱意が天に通じたのか、2014年、私たちの夢がようやく実りました。初めての蔵出し以来、大変なご好評をいただき、小さな蔵で酒造量も限られるところから、常にお待たせしているような状態が続きました。
 こうしたご不便をおかけすることなく、さらに高品質のお酒をお届けするために2016年、現在地に酒蔵を移転。経験豊かな酒造りスタッフを加え、設備も充実させ、“良酒”づくりに専心しています」

酒蛙

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