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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4218】七歩蛇 純米吟醸(しちほだ)【熊本県】

2020.5.1 21:13
熊本県阿蘇郡小国町 河津酒造
熊本県阿蘇郡小国町 河津酒造

【A居酒屋にて 全11回の②】

 4~5カ月に1回、ほぼ定期的に開いている、オタマジャクシと美女軍団との飲み会。オタマジャクシは、カエルのわたくしより年下なのでオタマジャクシを自称している。会場のA居酒屋はなんと、2日後に店を閉めるんだそうな。びっくり仰天だ。オーナーのNさんには、わたくしにとってのさまざまな“初蔵酒”を用意してもらった。長年のご労苦に感謝、感謝、だ。Nさんは新しい店を開く気満々。いつになるのか。楽しみだ。そして、また“初蔵酒”を用意していただきたい。

 さて、トップバッター「栄光冨士 純米 無濾過生原酒 暁乃翼 四段仕込み おりがらみ」に続いて2番目にいただいたのは、わたくしにとっての初蔵酒「七歩蛇 純米吟醸」だった。オーナーのNさんが見つけてきてくれたもの。ありがたい。感謝、感謝、だ。

 猪口に注ぐと、熟成酒のような色がすこしついている。いただいてみる。

 酒蛙「熟成香味を感じる」
 うっちー「同感」
 オタマジャクシ「最近、熟成香味を気にしなくなった。熟成香味もそうでないものも全部受け入れるのだよ。あははは」
 女性日本酒ライターSさん「前半に厚みを感じ、後半は軽い。面白いお酒だ」
 オタマジャクシ「舌先だけに味が残る」
 酒蛙「比較的マイルドな口当たり。酸と辛みを感じる。旨みは適度。すっきり感があり、飲み飽きしないお酒だ。食中酒に向いている」
 美女MIさん「全然おいしい。辛い」
 オーナーNさん「きれいな酒だ」
 女性日本酒ライターSさん「そう」
 酒蛙「余韻は辛み」
 うっちー「酸っぱすぎる」
 酒蛙「そうは思わない。でも、人それぞれ感じ方が違うから」

 熟成酒っぽいから燗映えするんじゃないか?という声が誰かから上がり、オーナーNさんがさっそく燗をつける。いただいてみる。温度は推定40℃~45℃の、ぬる燗帯。

 酒蛙「燗にしたら辛みが前に出てきた。そして味が強くなった」
 美女Sさん「燗酒にすると辛みが強くなります」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「酒造好適米を、50%迄精白した原料を阿蘇の湧水で厳寒の中ゆっくりゆっくり醗酵させ、飲み口のやさしい、切れの良い酒です」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(熊本県産)米麹(熊本県産米)、精米歩合50%、アルコール分15度、製造年月 ’20/1、お勧めの飲み方 ◎冷やして ◎常温 〇お燗」。また、蔵のホームページのスペック表示は「原料米:熊本県産米、アルコール分:15度、日本酒度:+5、2019年 インターナショナル 酒 チャレンジ 銅賞 受賞」。

 さて、酒名の「七歩蛇」には、どんな意味があるのか。ウィキペディアは、以下のように説明している。

「七歩蛇(しちほだ)は日本に伝わる妖怪。浅井了意の怪異小説集『伽婢子』の中で、京都東山に出現したとされる奇怪な蛇の一種。体長4寸(約12cm)ほどの小さい蛇だが、姿形は龍そっくりで、4本の足がある。色は真っ赤で鱗の間が金色に光り、耳は立っている。この蛇に噛まれた者は、その猛毒により7歩歩かぬ内に死んでしまうので、『七歩蛇』という名前がつけられたという。東山西の麓にある浦井という屋敷で、何匹もの奇怪な蛇が出現したのを退治したところ、ある日庭の木々が次々に枯れて倒れ、庭石も砕け散り、砕けた石の下からこの七歩蛇が出てきたとされる」

 さて、なぜ妖怪名を酒名に使ったのか。蔵に直接電話をかけてみた。蔵の方が親切に教えてくれた。「ある事情で、これまで使っていた主力銘柄名が使えなくなったので、4~5年前に(嚙まれると七歩歩かないうちに死んでしまうという)『七歩蛇』に代えた。『美味しいので、飲み過ぎて倒れないように』との願いが込められています」

酒蛙

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