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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4217】栄光冨士 純米 無濾過生原酒 暁乃翼 四段仕込み おりがらみ(えいこうふじ)【山形県】

2020.4.29 17:15
山形県鶴岡市 冨士酒造
山形県鶴岡市 冨士酒造

【A居酒屋にて 全11回の①】

 4~5カ月に1回、ほぼ定期的に開いている、オタマジャクシと美女軍団との飲み会。オタマジャクシは、カエルのわたくしより年下なのでオタマジャクシを自称している。会場のA居酒屋はなんと、2日後に店を閉めるんだそうな。びっくり仰天だ。オーナーのNさんには、わたくしにとってのさまざまな“初蔵酒”を用意してもらった。長年のご労苦に感謝、感謝、だ。Nさんは新しい店を開く気満々。いつになるのか。楽しみだ。そして、また“初蔵酒”を用意していただきたい。

 美女軍団の御到着の前に、まずは舌慣らし。オタマジャクシが「シュワシュワ飲みたい」とリクエスト。Nさんがそれに応じて出してきたのが「栄光冨士 純米 無濾過生原酒 暁乃翼 四段仕込み おりがらみ」だった。「栄光冨士」は当連載でこれまで、11種類を取り上げている。わたくし行きつけの店の店主は「栄光冨士」が好きな人が多いのだ。甘くて厚みのある酒、というイメージを持っている。今回の酒はどうか。いただいてみる。

 酒蛙「リンゴ似のフルーティーな香り。微発泡しわしゅわが来る。クリーミーで、いかにもにごり酒といった口当たり。ジューシー」
 オタマジャクシ「最後に酸を感じますね」
 酒蛙「うん。甘・旨・酸・辛を感じる。中でも甘みがけっこう強く出ている。酸と辛みは後半。そのおかげで、おしまいのキレが良い」
 うっちー「美味しい」
 酒蛙「うん、美味しい。飲み飽きしない」
 オタマジャクシ「あのね、『美味しい』ってテイスティングじゃないのね」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「1年に1度だけの、初春の限定酒『純米酒 暁乃翼(アカツキノツバサ)』! 『暁』とは『明時(アカトキ)』の音変化。夜明け・明け方の意味。待ち望んでいた事が実現する瞬間広げる翼。春を待ちわびる白い『おりがらみ』の純米酒。日本酒度-10とは思えない、旨味とキレのバランスで、特にお寿司やお刺身にお薦め」

 裏ラベルのスペック表示は「酒質 純米酒、商品名称 暁乃翼2020、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、使用酒米 はえぬき100%、精米歩合65%、酒米産地 山形県、使用酵母 協会10号酵母、日本酒度-10.0、酸度1.5、アミノ酸度0.8、アルコール分15.8度、製造年月2020年2月」。

 使用米の「はえぬき」は、山形県立農業試験場庄内支場が1982年、母「庄内29号」、父「あきたこまち」を交配させ、選抜と育成を繰り返し品種を固定。1992年に命名、1993年に種苗法登録された。山形県で栽培される、良食味で知られる主食用米品種のエースである。2016年(収穫)現在、全国6位の作付面積を誇っている。酒米としても、十分力を発揮している。

 この蔵は、戦国武将・加藤清正ゆかりで知られる。蔵のホームページは、このことについて、以下のように記している。

「冨士酒造は戦国武将・加藤清正公をゆかりとしております。加藤清正公の嫡男・加藤忠廣公は11歳で家督を継いだのですが、改易の沙汰があり、お預けとなった現在の山形県、出羽ノ国・庄内の地で一男・熊太郎、一女・妙延を授かり、この加藤妙延を開祖としております」

 また、酒名「栄光冨士」の由来について、ほかの「栄光冨士」の裏ラベルは、以下のように説明している。

「江戸幕府第10代将軍・徳川家治の時代、安永7年(1778年)、第4代加茂屋・加藤専之助有恒(せんのすけ・ありつね)が、当時天領とされていた大山地区(現在の山形県鶴岡市)にて、親戚筋の加藤治右衛門より酒株24株を入手し、酒銘を『冨士』と定め酒造業を開始致しました。昭和30年代に『栄光』の2文字を冠し『栄光冨士』として商標を登録致して以来、裏表の無い昔ながらの酒造りと共に、四季醸造に取組んでおります」

酒蛙

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