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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4212】笑四季劇場 もう希望はないと君がいうまえに…(えみしき)【滋賀県】

2020.4.19 13:18
滋賀県甲賀市 笑四季酒造
滋賀県甲賀市 笑四季酒造

【F居酒屋にて 全13回の⑩】

 年に2~3回飲んでいる5人グループ。もともとTとわたくしは仕事で知り合い、よく2人で飲んでいた。Tの友人が次々に加わり5人のメンバーとなった。今回の場所は、TT居酒屋時代からお付き合いのあるF居酒屋だ。メンバーのうち1人がドクターストップで欠席。今回は4人で飲んだ。

「北島」「秀よし」「森嶋」「會津宮泉」「五十嵐」「大倉」「生粋左馬」「兵介」「神心」と飲み進め、10番目にいただいたのは「笑四季劇場 もう希望はないと君がいうまえに…」だった。遊び心満点の酒名だ。なぜ、このような酒名をつけたのか。この酒は、いったいどういう過程を経てできたのか。これらを要領よくまとめた記事が、愛知県名古屋市の酒販店「酒泉洞堀一」のウェブサイトに掲載されているのを後日見つけたので、以下に転載する。

     ◇

 今回はハッキリいって醸造を失敗したお酒です、通常は協会酵母を添加して安心安定醸造をするところを、その前に蔵付きの野生酵母が湧いてしまった訳ですから・・
 自然派といえばそうですが、素性の解らない酵母の故に どんな発酵経過を辿るかわかりません。案の定 酵母の力が弱く、13度でアルコール発酵が止まってしまい、意図しない甘口の酒が出来上がってしまったそう!
 そこでこのタイトルの「もう希望がないと君がいうまえに・・・」 かなり蔵元さんはその失敗に落ち込んだとのことですが、飲んでみたら違う魅力に溢れたお酒に仕上がってたのです!!
 まず”甘口”のその味わいが良い、透き通るような綺麗な甘味。
 さらに旨味もきちんと加わって、余韻の切れも抜群で! はっきりいって素晴らしい甘口13度切れ酒。
 多分、笑四季の麹造りとか基本がしっかりしてるんで、こういう酒が出来たんだろうな~
 でも蔵元さんも怖いんでこの酒は再現不能だ~二度で造れない酒は間違いないですね。

     ◇

 わたくしたちは上記の記事も知らず、予備知識無しでいきなり飲んだ。その感想が以下の通りだ。

 酒蛙「甘いっ! とろみがある。やわらかな口当たり。イチゴやアンズのような果実香」
 N 「今日これまで飲んだ酒の中で一番甘い」
 D 「これ、日本酒というよりは…」
 T 「ジンで割って飲みたいね」
 酒蛙「酸を感じ、旨みもよく出ている。そしてなぜかキレが良い。甘口でキレが良い酒は珍しい。だからくどく感じない」
 N 「甘いのにグイグイいける」
 酒蛙「あ、アルコール分が13度と低いからグイグイいけるんだ。やっぱり、笑四季の“DNA”がある。しかし、いつもの笑四季と比べると、どういうわけか大人しい。甘みイケイケの『モンスーンシリーズ』の笑四季とは違う。甘みが和三盆的だ。けっこう強い甘みだが、品がある」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「2019-20火入、原料米 滋賀県産越神楽、精米歩合50%、酵母 野生酵母、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、アルコール分13度、製造時期(瓶詰)2020年2月」。

 ここで興味深いのは「2019-20火入」。蔵のホームページでは全く触れていないので、想像の域を出ないが、“失敗作”なので、様子見のため何回かに分けて火入し、最後にはそれらをブレンドして今回の酒を造ったのだろうか(たぶん)。精米歩合を見ると、この酒は純米大吟醸級。しかし“失敗作”だから、恥ずかしくて?特定名称酒を名乗らなかったのではないだろうか(たぶん)。

 酒名・蔵名の「笑四季」の由来について、コトバンクは「酒名は、四季を通じて楽しく酒を飲みながら暮らしてほしいとの思いを込めて命名」と説明している。

酒蛙

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