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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4211】神心 純米吟醸 無濾過生原酒(かみこころ)【岡山県】

2020.4.16 20:02
岡山県浅口市 嘉美心酒造
岡山県浅口市 嘉美心酒造

【F居酒屋にて 全13回の⑨】

 年に2~3回飲んでいる5人グループ。もともとTとわたくしは仕事で知り合い、よく2人で飲んでいた。Tの友人が次々に加わり5人のメンバーとなった。今回の場所は、TT居酒屋時代からお付き合いのあるF居酒屋だ。メンバーのうち1人がドクターストップで欠席。今回は4人で飲んだ。

「北島」「秀よし」「森嶋」「會津宮泉」「五十嵐」「大倉」「生粋左馬」「兵介」と飲み進め、9番目にいただいたのは「神心 純米吟醸 無濾過生原酒」だった。嘉美心酒造のお酒は、さぞ多くの種類を飲んでいるのだろう、とおもっていたが、当連載でこれまで、なんと「嘉美心 純米吟醸 生酒 冬の月」(当連載【461】)1種類しか取り上げていなかった。思い込みはおそろしい。さて、いただいてみる。

 酒蛙「上立ち香が華やか」
 T 「甘いなあ」
 酒蛙「甘い。そして甘旨酸っぱい味わい。雄町米は甘みがかなり出る場合がある。この甘さは、それだね」
 D 「この香りはマスカットですね」
 N 「バランスがとれています」
 酒蛙「厚みがあり、濃醇、ふくよか。香りはやっぱりマスカットだね」
 N 「マスカット。うむ、たしかに。いい表現だ」

 瓶の首ラベルには「麹米・雄町使用 中取り」と書かれている。麹米を強調してPRするのは珍しい。

 瓶の裏ラベルには「創業100年の思いを込めて」と題し、なぜ新銘柄「神心」を立ち上げたのかを説明している。

「2代目当主松三郎は信仰心が強く京都松尾大社(お酒の神様)から大浦神社に分社を招致しました。松三郎の心意気を受け平成25酒造年度創業100周年を機に酒名を神心とし別ブランド作品として新たに顔の見えるお仲間と共に全国に真心を込め伝えていきたいと考えこのお酒を醸しました」「蔵元が(この御酒に掛ける)『心』意気を『示』して『申』し上げる酒=神心=嘉美心」

 蔵のホームページは、もうすこし詳しく以下のように説明している。

「創業当時『嘉美心』の銘柄名を『身も心も清めて酒造りをしたい』との想いをこめて『神心』との命名を考えましたが、『神』の字をそのまま使うことは畏れ多いと考え、『美しい心を喜ぶ=嘉美心』と名付けたと言われています。嘉美心酒造は2014年に皆様のお力添えにより、おかげさまで100周年を迎えました。新たな歴史の創造にむけて今こそ『畏れ多くて使えないと思っていた“神”の字を使う時』という気構えで醸した御酒です」

 なるほど。100年前に「神心」(かみこころ)と付けたかった酒名を、畏れ多いと、当て字の「嘉美心」(かみこころ)にしたが、100年後に晴れて新銘柄に「神心」を使った、というわけだ。

 瓶の裏ラベルは「味わいについて」と題し、このお酒を以下のように紹介している。

「香りは華やか、芳醇の中にも透明感のある米の旨味が特徴的な本商品。また、麹米に『雄町米』を使用することにより、輪郭がハッキリとしシャープな喉越しに仕上がりました。贅沢に『中取り』のみを使用しています。 ※『中取り』とは、お酒を搾る工程のなかで中盤に出てくるお酒です。雑味が少なく、香りと味のバランスの良さが特徴的です」

 また、蔵のホームページは、以下のように紹介している。「とろけるような芳醇な旨味が味わえつつ、さらりとした喉越しが特徴的なお酒。米麹に雄町米を使用することで、輪郭がはっきりとしたシャープな味わいに」

 裏ラベルのスペック表示は「原料米 アケボノ80%使用(掛米)雄町米20%使用(麹米)、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、アルコール分16度、使用酵母 自社酵母、仕込み水 岡山三大河川・高梁川伏流水(中軟水)、杜氏 内倉直(すなお、※備中杜氏)、製造年月2020.02」。

 使用米のアケボノ」は農林水産省東海近畿農業試験場/栽培部 稲育種研究室が開戦直前の1939年、母「農林12号」と父「朝日」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、1953年に命名された。主食用米ではあるが、粒が大きいことなどから酒米に利用されている。

酒蛙

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