メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4195】墨廼江 特別本醸造(すみのえ)【宮城県】

2020.3.25 16:42
宮城県石巻市 墨廼江酒造
宮城県石巻市 墨廼江酒造

【TU会例会 全6回の④】

 2カ月に1回のペースで、M居酒屋で開いている異業種間飲み会「TU会」。今回は9人が参加、にぎやかに飲み、にぎやかに酒を論評し合った。

「大江山」「御所泉」「鍋島」に続き、4番目にいただいたのは「墨廼江 特別本醸造」だった。これも、「鍋島」のときと同じようにびっくりたまげた。「鍋島」同様、「墨廼江」も純米~純米吟醸という純米蔵のイメージを強く持っていたからだ。「墨廼江」は飲む機会が多く、当連載でこれまで、16種類を取り上げている。透明感のある、すっきりきれいな酒だが、旨みと酸が適度にある食中酒、というイメージを持っている。わたくしの好きな銘柄のひとつだ。さて、いただいてみる。

 酒蛙「シルキーですっきりした口当たりのお酒。キレが良い。イメージ通りのお酒だ。本醸造感をあまり感じない。いいね!」
 ヨネちゃん「悪くないね」
 TU「しょっぱい?」
 KT「後味に辛みがある」
 KW「これ、いいよ!」
 KT「すっきりした酒が好きな人にいい酒だ。旨みが少ないぶん、すっきりした飲み口になっている」
 酒蛙「すっきり、さっぱり、さわやかなお酒。中盤から辛みと酸が出てくる。旨みはやや少なめ。若干、エステル香を感じる。飲み飽きしないので、毎日の晩酌酒に適している。しかも本醸造だから安いだろうし」

 言われなければ本醸造酒とはとてもおもえないお酒だった。この蔵は、やっぱり造りが上手で安定感がある。

 瓶のラベルのスペック表示は「アルコール分15度、精米歩合60%、原材料名 米(国産)米麹(国産米)醸造アルコール」。

 東日本大震災の4カ月前、いちど、墨廼江酒造を訪れ、蔵を見学させてもらったことがある。蔵元さんは、本当に優しくて穏やかで、控えめで、人柄の良さが顔にあらわれている好人物だった。「酒名と蔵名が、なぜ墨廼江なんですか?」というわたくしの唐突な質問にも、石巻市史(たしか・・・)を奥から出してきて、該当の部分を指で示しながら「蔵の創業当時、蔵があった場所が墨廼江と呼ばれていたことにちなみ命名されたようです。このくらいのことしか分かりません」と恐縮しながら答えていたのを、今でも鮮明に覚えている。

「墨廼江」は、昔の地名だったのである。東日本大震災で、墨廼江酒造も大きな被害を受けた。

 

酒蛙

関連記事 一覧へ