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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4193】御所泉 吟醸 源酒(ごしょいずみ)【石川県】

2020.3.23 11:59
石川県金沢市 武内酒造
石川県金沢市 武内酒造

【TU会例会 全6回の②】

 2カ月に1回のペースで、M居酒屋で開いている異業種間飲み会「TU会」。今回は9人が参加、にぎやかに飲み、にぎやかに酒を論評し合った。

 店主がトップバッター「大江山 復刻版 純米」に続いて持ってきたのは「御所泉 吟醸 源酒」だった。そして、こう言った。「このお酒も、初めての蔵です」と。わたくしは、全国全現役蔵のお酒を飲むことを目指しており、これに店主が賛同。快く協力してくれているのだ。本当に助かる。ありがたい。感謝感激だ。

「日本の名酒事典」によると、この蔵は「日本でも有数の小さな蔵元で、近隣にのみ製造直販を行っている」とか。ネット情報によると醸造量は100石(一升瓶で1万本)。たしかに小規模だ。

 そして店主は、こう言った。「アルコール分20度のお酒で、金沢市限定で流通しているお酒です」。みんな「え~~~っ? 20度???」と驚く。なんてったって、20度の焼酎が出回っているほどの高アルコールだ。しかも20度というと日本酒アルコール分のほとんどマックス。それ以上だと酵母が死んでしまう。世界の醸造酒の中で、酵母がアルコールに対し一番強いのが日本酒で、20~21度くらい。ちなみにワイン酵母の限界は13~14度くらい。

 メンバーのヨネちゃんは「おいおい、ラベルに『源酒』って書いているぜ」と疑問を投げかける。わたくしが「原酒」の間違いじゃないの?とテキトーに答えたが、この酒のラベルは昔から「源酒」の文字を使っているんだそうな。考えてみれば、「源酒」は、「酒」の「源」だから、正しいといえば正しい。普通、原酒に水を加えて日本酒をつくっているのだ。だから、原酒は酒の源ともとれる。さて、いただいてみる。

 TU「甘~~い!」
 W 「とろっとくる」
 SG「アルコール分20度とはおもえない飲みやすさ」
 ヨネちゃん「面白い酒だな」
 TU「メロンみたいに甘い」
 酒蛙「ばあちゃんのタンスのにおいのような菌類的香り」
 ヨネちゃん「なぜ、アルコール分20度の酒をつくったんだろう」
 KT「原酒のようなまったりとした飲み口」
 酒蛙「これ、原酒なんだってば」
 KW「飴をなめているような甘さだ」
 KT「強烈な押味がある」(後味がいつまでも長く続く、という意味)
 酒蛙「甘い。濃い。強い。分厚い旨み。辛い。強い味。重量級のパンチ。骨太。飴がすこし煮詰まった感。甘旨酸っぱくて、超濃醇。とろみがある」
 KW「『菊水』に似ている」(「菊水 ふなぐち 一番しぼり 生原酒 本醸造」(当連載【1392】のこと)
 酒蛙「全くその通り」

 日本の名酒事典はこの酒を以下のように説明している。「アルコール度数20%の吟醸酒の原酒を瓶詰したもの。低温でじっくりと発酵させた吟醸香はすばらしく芳醇で、飲み口がいいので、『おいしすぎるので飲み過ぎに注意』と地元の人はいう」

 瓶のラベルのスペック表示は「金沢限定幻の酒、アルコール分20度、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール、精米歩合60%、製造年月01.10」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 酒名「御所泉」の由来は、蔵の所在地が、石川県河北郡小坂村御所町(現・金沢市御所町)にあったことによるものとみられる。

酒蛙

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