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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4191】田酒 純米吟醸 うすにごり 生(でんしゅ)【青森県】

2020.3.21 12:09
青森県青森市 西田酒造店
青森県青森市 西田酒造店

 休日の夕方、ふらりと近所のうなぎ屋へ。うなぎはもちろん美味しいのだが、酒がいい。定番酒はありきたりの地酒3種類ほどだが、店主の“隠し酒”が面白い。この場合の面白い、は特段意味のある言葉ではない。わたくしの興味をそそる酒が多い、ということだ。どんなルートで入れているのか興味のあるところだが、あえて聞かないことにしている。

 席につくと、店主が、いつものようにおすすめのお酒を抱えて持ってきた。今回は「田酒 純米吟醸 うすにごり 生」だった。西田酒造店のお酒は飲む機会が多く、当連載ではこれまで、28種類を取り上げ、うち22種類は「田酒」である。「田酒」銘柄には、ケレン味の無い、しっかりした味わいの、高位安定性を感じている。さて、今回のお酒はどうか。「田酒」でにごり酒とは珍しい。

 まろやかな口当たり。メロンのような吟醸香が適度に広がる。最初のアタックで甘旨(甘の方が強い)を感じるが、すぐに酸が来て、中盤から余韻は酸と辛み。中でも酸が良く出ている。最後は苦み。そして、すっとキレる。「田酒」のDNAがほのかに感じられる。にごり酒らしく、シルキー&ミルキーな口当たりと、コメの旨みが感じられる。フレッシュ感もあり。素直に「美味しい」と感じられるお酒だった。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「アルコール分16度、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合55%、製造年月2020.02」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 酒名「田酒」の由来について、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「『田』はもちろん、酒の元となる米が獲れる田んぼを意味し、名前の通り、日本の田以外の生産物である醸造用アルコール、醸造用糖類は一切使用していないことを力強く主張した、米の旨みが生きる旨口の純米酒です。『日本酒の原点に帰り、風格ある本物の酒を造りたい』という一念で、昭和45年に昔ながらの完全な手造りによる純米酒の醸造に着手。その後、商品化までに3ヶ年を費やし、発売は昭和49年10月1日でした」

 ラベルの「田酒」の字は、竹内俊吉・元青森県知事の筆による。

酒蛙

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