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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4187】川中島 幻舞 純米吟醸 しぼりたて 無濾過生原酒(かわなかじま げんぶ)【長野県】

2020.3.19 20:49
長野県長野市 酒千蔵野
長野県長野市 酒千蔵野

【Z料理店にて 全5回の②】

 近所のZ料理店の店主から電話がかかってきた。「酒屋を変えました。今までに無い酒が入っていますよ」。ここの店主は、わたくしが飲んだことがないであろう酒を取り寄せてくれるので、その好意にこたえ2カ月に1~2回のペースで暖簾をくぐることにしている。しかし、ネタが尽きたようで、酒屋を変えた、ということらしい。

 すなわちこれ、営業トーク。飲みに来い、ということだ。素直なわたくしは、すぐ暖簾をくぐった。店主はMLB、NPB、社会人野球、大学野球、高校野球に詳しく、わたくしは彼と野球の話をするのが好きだ。店主も、わたくしと野球の話をするのが好きなようで、いつも、店主の定位置の向かいのカウンター席を用意してくれる。今回もその場所に「reserve」の置物が。

 最初に選んだのは「寒菊 39 -special thanks- 純米大吟醸 無濾過生原酒」。次にいただいたのは「川中島 幻舞 純米吟醸 しぼりたて 無濾過生原酒」だった。この蔵のお酒は当連載でこれまで、3種類を取り上げている。今回のお酒をいただいてみる。

 グラスに注ぐと、グラスの内側に気泡がたくさん付く。酒の中のガスだ。含むと舌先に微発泡の刺激がチリチリと。甘みが分厚い。酸も適度。濃醇だ。ただ、サイダーのような、さわやかな含み香を感じる。力強いお酒だが、ジューシーな部分もある。ガツンと来る部分とやわらか・やさしさの部分とのバランスが良いとおもった。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、原料米 美山錦100%使用、精米歩合49%、アルコール分16度、杜氏 千野麻里子、製造年月2020.1」。

 蔵のホームページは、この酒を以下のように紹介している。

「昔ながらの手造りの旨味にこだわり、ふくよかな味わいを持たせているが、麻里子杜氏らしい非常に綺麗な酒質で華やかな香りと高いながらもスッキリとした酸が心地よく杯を進めてくれる逸品です。こんなシメサバにあわせてキュッといったらもう、たまりません!」

 武田信玄と上杉謙信の決戦で知られる川中島で興した蔵の歴史はかなり古い。蔵のホームページは以下のように歴史を伝えている。

「酒千蔵野は、天文9年(1540年)川中島にて創業。信州・長野県で最も長い歴史と伝統を誇る酒蔵です。全国的にも7番目の歴史を持つ酒蔵で、川中島合戦の折り『武田信玄公』が千野の酒を召し上られたことでも有名です」

 酒名「幻舞」の由来について、ウェブサイト「『日本の名酒』自宅にいながら蔵元巡りの旅」は、以下のように説明している。

「"幻舞"の命名は、蔵元の一人娘で杜氏でもある麻里子さんが命名したそうです。幻になるくらい、美味しくて人気のある(みんなが喜んでくれる)お酒を造りたい。飲んで、踊りたくなる(舞う)ようなお酒を造りたい。上村松園『序の舞』の、凛とした気品のある女性が好きで、序の舞 自分もそのようになりたいし、そういうお酒を造りたい。という、3つの願いが込められているのだそうです」

酒蛙

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