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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4186】寒菊 39 -special thanks- 純米大吟醸 無濾過生原酒(かんぎく)【千葉県】

2020.3.18 13:40
千葉県山武市 寒菊銘醸
千葉県山武市 寒菊銘醸

【Z料理店にて 全5回の①】

 近所のZ料理店の店主から電話がかかってきた。「酒屋を変えました。今までに無い酒が入っていますよ」。ここの店主は、わたくしが飲んだことがないであろう酒を取り寄せてくれるので、その好意にこたえ2カ月に1~2回のペースで暖簾をくぐることにしている。しかし、ネタが尽きたようで、酒屋を変えた、ということらしい。

 すなわちこれ、営業トーク。飲みに来い、ということだ。素直なわたくしは、すぐ暖簾をくぐった。店主はMLB、NPB、社会人野球、大学野球、高校野球に詳しく、わたくしは彼と野球の話をするのが好きだ。店主も、わたくしと野球の話をするのが好きなようで、いつも、店主の定位置の向かいのカウンター席を用意してくれる。今回もその場所に「reserve」の置物が。

 最初に選んだのは「寒菊 39 -special thanks- 純米大吟醸 無濾過生原酒」だった。「寒菊」は当連載でこれまで、4種類を取り上げている。旨い酒、という漠然としたイメージを持っている。さて、今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 メロン似の、やわらかな果実香が、ほのかに立ち上る。含むと、とろみがあり、実に濃醇。甘旨みと酸に、中盤から辛みが加わり、非常に力強い酒質だ。ひとことで言うならば、濃くて甘旨酸っぱいお酒。中でも、甘みが出ている。「あて要らずの酒だね」と言ったら、店主が怒り出した。そりゃそうだ、ここは居酒屋じゃなく料理屋だもんね。店主をとりなし、イカのお造りをつくってもらう。

 瓶のラベルは、この酒を以下のように紹介している。「一年の終わりに、蔵からお客様にその年の感謝(thank you=39)の想いをお届けするために仕込んだ一本。弊社の主力米『雄町』を39%まで磨き上げ、搾りたてを生のまま直詰めいたしました。大切な方やお世話になった方へ、一年の感謝を伝える贈り物としてもぴったりな、造り手の想いの込もったこだわりの一本です」

 ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、アルコール分15度、米 雄町100%、精米歩合39%、製造年月2019.12」。

 酒名・蔵名の「寒菊」の由来について、「日本の名酒事典」は、以下のように説明している。「酒名は小粒ながらも香り高く、長い間花を咲かせる寒菊(冬菊)になぞらえ、初代蔵元が“小粒ながらも一徹さをもち末長く良酒を造る”という思いを込めて命名した」

酒蛙

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