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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4177】伊弥彦 純米吟醸 國酒(いやひこ)【新潟県】

2020.3.11 19:48
新潟県西蒲原郡弥彦村 弥彦酒造
新潟県西蒲原郡弥彦村 弥彦酒造

 週末の夕方、ふらりと近所のうなぎ屋へ。うなぎはもちろん美味しいのだが、酒がいい。定番酒はありきたりの地酒3種類ほどだが、店主の“隠し酒”が面白い。この場合の面白い、は特段意味のある言葉ではない。わたくしの興味をそそる酒が多い、ということだ。

 席につくと、店主が、おすすめのお酒を持ってきた。今回は「伊弥彦 純米吟醸 國酒」だった。弥彦酒造の主銘柄は「越乃白雪」と「弥彦愛国」。当連載でこれまで、それぞれ1種類を取り上げている。

 瓶のラベルの中央に「伊弥彦米」と書かれ、ずいぶん強調している。この米と今回のお酒について、新潟日報は2019年11月21日のウェブサイトで、以下ように報じている。

「伊弥彦米は農薬と化学肥料をそれぞれ50%以上減らして育てた弥彦産のコシヒカリ。2016年度にブランド化されて以降、ふるさと納税の返礼品の7割以上を占めているほか、村内の観光施設や旅館で提供されている。
 原料の伊弥彦米は、農家も兼ねている同社の山城哲也製造部長(47)が栽培した。伊弥彦米は酒造用米と比べて粘りがあるため、こうじ造りに最も苦労したという。山城さんは『米同士がくっつかないように、火加減や給水に細心の注意を払った。コシヒカリのほのかな甘さが感じられ、杯が進むすっきりした味わいに仕上がった』と話す。
 村では今年に入り、伊弥彦米を副原料に使ったビールや、伊弥彦米のペーストが練り込まれたソフトクリームなどが発売されている」

 さて、いただいてみる。含み香は、ほのかに昭和レトロ的熟成感的クラシカル香味がある。味わいでは、辛みをまず感じ、旨みと酸も適度に感じる。余韻は辛み。さっぱり、すっきりした軽快なお酒。かつて、新潟酒の代名詞として言われた「淡麗辛口」そのものの味わい。ただ、単に淡麗辛口なのではなく、口当たりにやわらかさとやさしさを感じる。口が慣れてきたら、甘みも顔を出してくる。

 瓶のラベルのスペック表示は「特別有機栽培米 伊弥彦米100%使用、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、アルコール分16度、精米歩合55%、製造年月1-12」。

 弥彦神社は、万葉集にもうたわれた歴史のある古社で、ご神体は弥彦山。弥彦神社は、通称「やひこ」と呼ばれているが、正式には「いやひこ」という。今回の酒名も米の名も「いやひこ」に由来する。

酒蛙

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