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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4174】フモトヰ 雪女神 純米大吟醸(ふもとい)【山形県】

2020.3.10 16:50
山形県酒田市 麓井酒造
山形県酒田市 麓井酒造

【日本酒研究会月例会 全5回の③】

 年が明け足掛け14年目に入った超長寿飲み会「日本酒研究会」。大層な会名だが、単なる飲み会。異業種間交流にもかかわらず、1回も欠かさず、こんなに長い間月例会を続けるとは、やはりみなさん、酒が好きだからだろう。

 今回は「天領盃 雅楽代」「暁 l'aube 2017BY」に続いて店主が持ってきたのは「フモトヰ 雪女神 純米大吟醸」だった。麓井酒造のお酒は当連載でこれまで、「麓井」を7種類、「フモトヰ」を2種類取り上げている。総じて、酸が出て、しっかりした味わいのお酒、という好印象を持っている。

 このお酒を持ってくるとき、店主はこう言った。「山形県の新しい酒米『雪女神』で醸したお酒です」。わたくしはこれまで、「雪女神」で醸したお酒は「出羽桜」「山形正宗」「最上川」「秀鳳」の4銘柄を飲んでいる。いずれも山形県のお酒だ。

 山形市の国井酒店のホームページによると「雪女神」は、山形県が、山形県初の大吟醸規格用酒造好適米の開発をめざし、「蔵の華」と「出羽の里」を交配、育成と選抜を繰り返し開発した酒造好適米。これで「山田錦」に頼らず、すべて山形県産の原材料で大吟醸を醸すことが可能になった、という。

 また、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構次世代作物開発研究センターによると、「雪女神」を開発したのは山形県農業総合研究センター水田農業試験場で、2001年に母「出羽の里」と父「蔵の華」を交配し育成を開始。選抜と育成を繰り返し品種を固定。2015年に命名、2017年に種苗法登録された、非常に新しい酒造好適米だ。

「雪女神」の特長について、出羽桜酒造のホームページは、以下のように説明している。

「千粒重が27g以上で大粒、玄米の粗タンパク質の含有率が7%以下、心白の発現率は70%以上、と優れた酒米適性を有しています。それらに加え、心白の形状が小さく、点状に出現するため、高精米でも米が砕けにくく、優れた大吟醸仕込みの適性を持っています。心白が大きすぎると、精米時に米が砕けやすく、高精米に向きません」

 さて、いただいてみる。

 酒蛙「旨いっ!」
 Y 「すぱっとキレ過ぎる」
 酒蛙「うん、たしかにキレが良い。おだやかな果実香が適度に広がり、甘旨みと酸が出ており、甘旨酸っぱい味わい。余韻は辛み」
 F 「これ、美味しい」
 Y 「温度が上がると、甘みが出てくる」
 F 「そうですね」
 酒蛙「全体としてやや力強さを感じ、しっかりした味だが、きれいで上品な味わいのお酒だ。いいね」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「山形県オリジナルの酒米『雪女神』を使用しきもと仕込みで醸した純米大吟醸酒です。昔ながらの山形酵母を用い、おだやかでかつフレッシュなマスカットを思わせる吟醸香と雑味の無いクリアーな味わいを追求しました」

 裏ラベルのスペック表示は「アルコール分16度、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料米 山形県産雪女神100%、精米歩合35%、製造年月R01.11」。精米歩合35%にすこしびっくり。高精白でも砕けにくいという特性を生かした造りであることが分かる。

 ところで、ネット情報によれば、麓井をつくる「麓井酒造」は1894(明治24)年創業で、鳥海山の麓に蔵を構える小さな蔵。創業当時、藩主酒井家の分家の人々から酒造りの指導を受けたことから、酒井家の「井」、地名の「麓」を合わせ「麓井」と名づけたという。現住所も、たしかに酒田市大字麓字横道32だ。

酒蛙

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