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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4172】雅楽代 可惜夜 直汲み 無濾過生原酒(うたしろ あたらよ)【新潟県】

2020.3.8 23:26
新潟県佐渡市 天領盃酒造
新潟県佐渡市 天領盃酒造

【日本酒研究会月例会 全5回の①】

 年が明け足掛け14年目に入った超長寿飲み会「日本酒研究会」。大層な会名だが、単なる飲み会。異業種間交流にもかかわらず、1回も欠かさず、こんなに長い間月例会を続けるとは、やはりみなさん、酒が好きだからだろう。

 今回のトップバッターは、天領盃酒造の「雅楽代 可惜夜 直汲み 無濾過生原酒」だった。この蔵の酒は当連載でこれまで、「天領盃 大吟醸 冴」(当連載【456】)1種類を取り上げている。

 この酒を持ってくるとき、店主がびっくりすることを言った。「天領盃酒造を24歳の若者が買い、つくったのがこのお酒です」と。みんな「え~っ」と目が点に。この経緯について、日本酒情報サイト「SAKETIMES」は2018年12月5日付記事として、以下のように説明している。

「自力で資金調達をして酒蔵を買収し、若干24歳にして全国最年少蔵元になった男性がいます。新潟県佐渡市・天領盃酒造の社長を務める加登仙一さん(25歳)=2018年12月5日時点=です。
 日本酒とは無縁だったそうですが、留学先で日本文化の魅力に目覚めたという加登さん。なかでも日本酒の奥深さに惚れこみ、『いつかは日本酒の事業をやりたい』という思いを募らせていました。
 社会人2年目に、天領盃酒造が売りに出されていることを知り、買収を決意。2018年3月に晴れて蔵元となりました。今年の冬から、杜氏や蔵人たちと初めての酒造りにまい進しています」

 すごい話だ。わたくしが24歳のころはまったくへなちょこ人間だった。人物の大きさの違いを痛感する。今回のお酒は2造り目ということになる。いただいてみる。
 
 酒蛙「舌先にピリピリ微発泡を感じる」
 H 「そうだ。楽しむにはいいね」
 酒蛙「酸がいい感じで出ている。さわやか、フレッシュ感がある。主張しない穏やかな香り。すっきりした口当たり」
 M 「ちょっと酸を感じる」
 酒蛙「いいなあ、この酒。頭を悩ませることなく、すいすい飲める。軽快感があり上品感もある」
 Y 「アテ無しでイケる」
 酒蛙「逆だな。オールラウンドの食中酒だ。旨みが適度で、クセが無く、酸が良く出ているので飲み飽きしない」

 瓶の裏ラベルは、以下のようにこの酒を紹介している。「可惜夜は『明けるのが惜しいほどの夜』という意味の大和言葉です。ずっと続いてほしい、そう思える素敵なシーンをこのお酒が彩れますように。そんな願いを込めて醸しました」

 瓶のラベルのスペック表示は「原材料名 米(佐渡産)米麹(佐渡産米)、原料米 佐渡産五百万石100%、アルコール分16度(原酒)、製造年月20.01」にとどまり、特定名称酒の区分や精米歩合が非開示なのは残念だ。もし、予断を持たずに味わってもらうため非開示にしているとすれば、それは“上から目線”で残念だ。食品表示が当たり前の世にあって、スペックを可能な限り公開したうえで、消費者(飲み手)の判断を仰ぐのが正攻法とわたくしは強くおもっている。

 酒名「雅楽代」の由来について、日本酒の情報サイト「Osakelist」は、以下のように説明している。

「千葉県出身の加登社長が佐渡に移住し、佐渡の歴史を調べていた時、佐渡に流刑された順徳天皇に佐渡島民が歌を詠み、天皇がその歌を気に入ると褒美として土地を貰えたという文献を発見。その土地が『歌の代わりの土地』という意味合いで、現在、天領盃酒造があります加茂歌代地区となったことを知ったそうです。以後、土地を授かり栄華を極めた者たちは、自らのきらびやかな時代を誇り『雅楽代(うたしろ)』と名乗るようになったのだとか。『雅で楽しい代(とき)』という意味と、天領盃の『お客様の思い出に残る楽しい時間を演出する』というコンセプトが合致していることから、加登社長はこの名を採用しました」

 蔵名および主銘柄名「天領盃」の由来について、日本の名酒事典は「昭和58年の創業。酒名は、佐渡が江戸幕府直轄の地(天領)であったことにちなむ」と説明している。

酒蛙

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