メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4170】酔鯨 しぼりたて 生酒 純米吟醸 吟麗(すいげい ぎんれい)【高知県】

2020.3.6 14:45
高知県高知市 酔鯨酒造
高知県高知市 酔鯨酒造

【K料理店にて 全2回の②完】

 連れ合いと1年以上ぶりに、K料理店の暖簾をくぐった。夫婦で切り盛りしている小さな料理店。肩が凝らないやや大衆的な料理店だが、味はそんじょそこらの割烹に負けない。わたくしたちは、この夫婦と楽しく語らいながら食事をするのを無上の喜びにしている。しかし、電話予約するたびに「あ、すみません。その日は満席です」との返答が繰り返され、自然に足が遠のいていた。今回、ラッキーなことに満席ではなかったので入店できた。

「上喜元 翁 生詰」に続いていただいたのは「酔鯨 しぼりたて 生酒 純米吟醸 吟麗」だった。「酔鯨」はわたくしの好きな銘柄の一つで、当連載でこれまで11種類を取り上げている。

「酔鯨」の中でもわたくしは「酔鯨 純米吟醸 吟寿」(当連載【58】)が大好きだった。柑橘系の酸にKOされ、どこの居酒屋に行ってもこれを注文していたのだが、どういうわけか「吟寿」は生産されなくなってしまった。かなしいことである。

「酔鯨 純米吟醸 吟寿」といい、「萩の鶴 特別純米 美山錦」(当連載【753】)といい、わたくしの好きな酒に限って生産中止になっているような気がしてならない。わたくしの舌は変態じゃないとおもうのだが・・・。そんな被害妄想的になってしまうほどショックな出来事だった。今回の酒は「酔鯨 純米吟醸 吟麗」(当連載【204】)の季節限定生酒バージョンだ。いただいてみる。

 淡麗辛口。酸がいい感じで出ている。柑橘系の酸がいい。ひところの「酔鯨 純米吟醸 吟寿」をほうふつとさせる酸だ。旨みがけっこう出てくる。余韻は辛み。飲み飽きしないお酒だ。最初のうちは淡麗辛口酒だと感じたが、飲み進め口が慣れてくると、次第にふくよかさと厚みが出てきて、しっかりとした味わいに変わっていく。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合50%、アルコルール分17度、製造年月2019.12」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だが、裏ラベルにQRコードがついており、これをスマホで読み取れば、この酒に関する詳細が分かる。

 そこには「軽やかな味わいが特徴の季節限定 生酒」と題し、特徴として、以下のように紹介している。「『純米吟醸 吟麗』の季節限定商品です。しぼりたてのフレッシュな味わいと、生酒らしい力強い味わいが特徴です。冬の始まり、酒造りの始めに仕込むことから発酵が旺盛になり、酸度が高めの新酒に仕上がります」

 ORコードでは、以下のように詳しいスペックを公開している。「使用米 五百万石、原料米産地 福井、使用酵母 熊本酵母(KA-1)、酸度2.00、アミノ酸度1.35、日本酒度+6.5」

 酒名・蔵名の「酔鯨」の由来は、「日本の名酒事典」によると「明治5年創業。酒名は幕末の土佐藩主・山内容堂の雅号『鯨海酔侯』に由来」。山内容堂は大酒飲みで知られる。2010年NHK大河ドラマ 「龍馬伝」で、近藤正臣が山内容堂役を怪演した。

酒蛙

関連記事 一覧へ