メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4168】山本 秋田ロイヤルストレートフラッシュ ダイヤ 純米大吟醸(やまもと)【秋田県】

2020.3.5 14:54
秋田県山本郡八峰町 山本合名
秋田県山本郡八峰町 山本合名

【Z料理店にて 全4回の④完】

 夕方、近所のZ料理店へ。ここの店主は、わたくしが飲んだことがないであろう酒を取り寄せてくれるので、その好意にこたえ月1回のペースで暖簾をくぐることにしている。店主はMLB、NPB、社会人野球、大学野球、高校野球に詳しく、わたくしは彼と野球の話をするのが好きだ。店主も、わたくしと野球の話をするのが好きなようで、いつも、店主の定位置の向かいのカウンター席を用意してくれる。ただ、ひいき球団は、店主はジャイアンツとホークス、わたくしはベイスターズ。全然違う。だから、しょっちゅう牽制球が飛び交う。

「高砂」「乾坤一」「奥の松」と飲み進め、最後4番目にいただいたのは「山本 秋田ロイヤルストレートフラッシュ ダイヤ 純米大吟醸」だった。この蔵のお酒は飲む機会が多く、当連載でこれまで20種類を取り上げている。内訳は「山本」13種類、「白瀑」5種類、「ど」2種類。全体的に濃醇酸味酒という好印象を持っている。

 今回のお酒は、ラベルを一目見てびっくりだ。トランプ。それも最強のロイヤルストレートフラッシュではないか。なんという遊び心。そのココロは、蔵のホームページに書かれている。

 それによると、今回のダイヤは第二弾で、第一弾はスペードのロイヤルストレートフラッシュ。ホームページは「スペード」を以下のように紹介している。

「秋田産の5種類の酒米と、秋田で開発された5種類の酵母で仕込みました。5種類の米はガラガラポンと混ぜ合わせた訳ではなく、酒母、麹、添仕込み、仲仕込み、留仕込みと5つの工程に使い分けました。商品名は『この1本に秋田の全てが詰まってる秋田最強の酒』という意味を込めています。箱の質感にもこだわり、ポーカーテーブルに似せた特殊加工を施しています」

 5種類のコメと5種類の酵母。この「5」と「最強のロイヤルストレートフラッシュ」をかけて「秋田最強」というわけだ。遊び心満点だ。

 そして、今回の「ダイヤ」について、ホームページは、以下のように紹介している。「平成30年に発売した秋田ロイヤルストレートフラッシュ スペードバージョンの第二弾です。米の品種は同じですが、使用する工程をシャッフルし、5種類の酵母のうち3種類を入れ替えました」。

 使用した酒米は、トランプの肩に表示する凝りようだ。「A 吟の精、K 改良信交、Q 美山錦、J 秋田酒こまち、10 美郷錦」。それぞれのコメの役割は、瓶の裏ラベルに、以下のように書かれている。

「当初はハートでラベルや箱を用意していましたが、搾ってみたら全然ハートっぽくなかったので、急遽ダイヤのラベルと箱を作りました。思い付きで入れ替えたら5種類の秋田の酵母(6号、こまちR-5、秋田酵母No12、UT-1、UT-2)を同時に添加し、後は仲良くやってくれと祈りました。使用する5種類の酒米は変わりませんが、使用する工程は変えています。(酒母・美郷錦、麹・酒こまち、添掛・改良信交、仲掛・美山錦、留掛・吟の精)前回と同様に、どんな酒に仕上がるのか全く予想できませんでした。次回はハートっぽく仕上がって欲しいです」

 さて、いただいてみる。チリチリと微発泡ガスを感じる。甘旨酸っぱくて、とくに酸が強く、酸がチャーミングの旨口酒。しかし、ほかの「山本」に見られるような濃醇系のお酒ではなく、味わいがありながら淡麗感・軽快感があるお酒だった。やわらか感があり、口当たりが良い。「ロイヤルストレートフラッシュ」のラベルなので、かなりクセのある酒ではないだろうか、と身構えて飲んだが、大人しくまとまった軽めのお酒。キレが良く、まったく飲み飽きしないお酒なので、食中酒に最適だとおもった。しかし、裏ラベルに書かれている「当初はハートを目指したが、できたお酒はハートではなく、ダイヤだった」の意味は、まったく分からなかった。でも、遊び心満点のお酒なので、突っ込むのは無粋だよね。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料 米(秋田県産)米麹(秋田県産米)、精米歩合50%、アルコール分15度、製造年月2019.11」。

 この蔵の主銘柄は「山本」と「白瀑」(しらたき)。「山本」は蔵元さんの名字。「白瀑」の由来について、コトバンクは「酒名は、慈覚大師ゆかりの白瀑神社と名瀑『白瀑』に由来」と説明している。

酒蛙

関連記事 一覧へ