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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4167】奥の松 夢の香 純米吟醸(おくのまつ)【福島県】

2020.3.5 14:42
福島県二本松市 奥の松酒造
福島県二本松市 奥の松酒造

【Z料理店にて 全4回の③】

 夕方、近所のZ料理店へ。ここの店主は、わたくしが飲んだことがないであろう酒を取り寄せてくれるので、その好意にこたえ月1回のペースで暖簾をくぐることにしている。店主はMLB、NPB、社会人野球、大学野球、高校野球に詳しく、わたくしは彼と野球の話をするのが好きだ。店主も、わたくしと野球の話をするのが好きなようで、いつも、店主の定位置の向かいのカウンター席を用意してくれる。ただ、ひいき球団は、店主はジャイアンツとホークス、わたくしはベイスターズ。全然違う。だから、しょっちゅう牽制球が飛び交う。

「高砂」「乾坤一」と飲み進め、3番目にいただいたのは「奥の松 夢の香 純米吟醸」だった。奥の松酒造のお酒は当連載でこれまで、「奥の松」2種類、「醸侍」(ジョージ)2種類を取り上げている。おとなしめの、落ち着いた酒質のお酒、という印象を持っている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 やわらか、ふくよか、やさしい口当たり。イメージ通りの酒質だ。味わいは、旨みがやさしく広がり、酸がけっこう出ている。上品感があり、しかも飲み飽きしない。肩から力を抜いて、やさしい気持ちで飲めるお酒だ。必然的にやさしい食事が期待できる。そんなイメージのお酒だ。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「名水『安達太良山の伏流水』と新しい福島の酒造好適米『夢の香』を100%使用し、『奥の松独自の酵母』で醸した、すべてが地元の蔵人による伝承の技。さらに味わいも新技術のパストライザーによる火入れ(瓶詰め後殺菌)を行うことにより、香りと風味を封じ込め、酒質が格段に向上しました。数々の鑑評会で評価されている奥の松八千代蔵の技と深い味わいをお楽しみください」。従来もそして今も、安定した酒質を保つ「二度火入れ」は、貯蔵するときと、瓶詰めするときの二回、熱を加え、酵母と酵素の働きを止める役目を担っているが、今回のパストライザーによる火入れは一回で済むため、生酒に近い味わいを出せる火入れ酒として近年、全国の蔵元さんから注目を集めている方式だ。

 また、裏ラベルは、酒米についても以下のように紹介している。

「福島の特徴である、豊かな自然と多様な個性、そして地元の恵みをふんだんに使用したお酒です。この酒造好適米『夢の香』は、従来の『五百万石』より優れた品種を開発するために、福島県が膨大な予算と時間をかけて開発した新しいお米です。『夢の香』と奥の松の醸造技術による、新しい福島の味わいをご堪能ください」

 裏ラベルのスペック表示は「精米歩合60%、日本酒度+1.0、酸度1.3、アルコール分15度、原料米 福島県酒造好適米 夢の香100%、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、製造年月19.11」。使用米の「夢の香」(ゆめのかおり)は、福島県農業試験場が1991年、母「八反錦1号」と父「出羽燦々」を交配、育成と選抜を繰り返し品種を固定。2000年に命名、2003年に種苗法登録された酒造好適米だ。

 酒名「奥の松」の由来について、日本の名酒事典は「宝暦2年(1752)創業。酒名は、当時の住居判『奥州二本松』の『奥』と『松』から命名された」と説明している。

酒蛙

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