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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4165】高砂 山廃 純米吟醸 山田錦(たかさご)【静岡県】

2020.3.4 17:03
静岡県富士宮市 富士高砂酒造
静岡県富士宮市 富士高砂酒造

【Z料理店にて 全4回の①】

 夕方、近所のZ料理店へ。ここの店主は、わたくしが飲んだことがないであろう酒を取り寄せてくれるので、その好意にこたえ月1回のペースで暖簾をくぐることにしている。店主はMLB、NPB、社会人野球、大学野球、高校野球に詳しく、わたくしは彼と野球の話をするのが好きだ。店主も、わたくしと野球の話をするのが好きなようで、いつも、店主の定位置の向かいのカウンター席を用意してくれる。ただ、ひいき球団は、店主はジャイアンツとホークス、わたくしはベイスターズ。全然違う。だから、しょっちゅう牽制球が飛び交う。

 最初に選択したのは「高砂 山廃 純米吟醸 山田錦」だった。この蔵のお酒を当連載はこれまで、「高砂」2種類、「駿州中屋」3種類の計5種類を取り上げている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 お酒の色は、すこし黄色く色づいている。無濾過的な“顔”だ。含んでぶったまげた。古酒香に似た香りが口の中に広がったからだ。ラベルを見たら、蔵出ししてから1年。まだ古酒香は発生しない段階だ。実に香ばしい古酒のような香り。これはすなわち、コメの香りだったのだ。ちなみに吟醸香は抑えられている。

 口当たりは、ふくよか、やわらか。味わいは、まず甘みを感じる。旨みと酸味は適度、余韻は辛み。キレ良し。大人しくまとまっている印象のお酒だが、なんといっても特徴的なのは、香ばしい香りだ。

 蔵のホームページはこの酒を「インターナショナル・SAKE・チャレンジ2019 金賞受賞」と題し、以下のように紹介している。「蔵内の乳酸菌を利用する昔ながらの手間がかかる作業から生まれました。たいへん飲みやすくほんのり甘みのある女性にも好まれるタイプ。ぬる燗が最高。口中に豊かな味が広がります」

 瓶のラベルのスペック表示は「原材料名 米(国内産)米麹(国内産米)、精米歩合55%、アルコール分15度、使用酵母 静岡酵母、日本酒度-3、製造年月18.11、杜氏 小野浩二」。

 酒名および蔵名「高砂」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「能の中には、『松は緑』を謡うものが多くあり(松は常緑樹で、いつでも緑色である事から長寿・天下泰平・夫婦和合のたとえとされます。)特に謡曲『高砂』の相生の松・松は緑に感した初代正吉が『高砂』の銘を戴いたと云われています。謡曲『高砂』は結婚式でよく謡われる『高砂や、こ乃浦舟に帆をあげて月もろともに・・・』との歌詞の船出した夫婦がいつまでも仲睦ましく老いていく内容の謡です。創始の当時、天保年間は世相が暗く飢饉が続いた頃で初代正吉は清めや和に使われる酒にこの意を込めたそうです」

酒蛙

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