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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4161】花陽浴 純米吟醸 無濾過生原酒(はなあび)【埼玉県】

2020.3.2 14:28
埼玉県羽生市 南陽醸造
埼玉県羽生市 南陽醸造

【B居酒屋にて 全5回の③】

 当連載「日本酒津々浦々」は、原則として同じ酒を2回載せることはしていない。ごく例外的に2回載せたものが2種類ほどある程度だ。このため常日ごろ、飲んだことがない酒を求めている。このB居酒屋は、わたくしが飲んだことがない酒が冷蔵庫に入っていることが多いので、必然的にしばしば“取材”に訪れることになる。

「初亀」「七本鎗」に続き、3番目にいただいたのは「花陽浴 純米吟醸 無濾過生原酒」だった。「花陽浴」は飲む機会が多い酒で、当連載でこれまで、12種類を取り上げている。果実香が華やかで、甘旨酸っぱい濃醇な酒、という強いイメージを持っている。

 今回のお酒もやはり、最初に甘みを感じた。甘旨酸っぱくて、とろみがあり、濃醇。しかしながらキレが非常に良いことに驚かされる。濃い酒は得てしてキレが悪いものだが、この酒は二律背反を軽やかにクリアしている。余韻は苦み。上立ち香はフルーティー、含み香もパインと桃を合わせたようなフルーツ香が華やかに広がる。昔、時々飲んだ「ネクター」をおもわせるような果実感だった。ちょっぴり“盗み酒”をした仲居さんが、「甘いけど、酸が助けてくれるので飲みやすい」と、なかなか正鵠を射る感想を述べていた。

 瓶のラベルのスペック表示は「アルコール分16度、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合55%、八反錦100%使用、製造年月1.12」。

 使用米の「八反錦」は、広島県立農業試験場が1973年、母「八反35号」と父「アキツホ」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。1983年に命名、1984年に種苗法登録された酒造好適米。今や、「八反錦」といえば広島、広島といえば「八反錦」というほど、全国的に著名な酒米となっている。

 酒名「花陽浴」の由来について、蔵のホームページは以前、以下のように説明していた。「花陽浴(はなあび)とは? 太陽の陽ざしをたくさん浴びて大輪の花を咲かそう! 飲む人も造る人も、みんなの花が咲きますように!」

酒蛙

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