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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4154】鹿野山 純米吟醸(かのうざん)【千葉県】

2020.2.25 21:47
千葉県富津市 和蔵酒造
千葉県富津市 和蔵酒造

【日本酒研究会月例会 全6回の⑥完】

 足掛け13年にもおよぶ超長寿飲み会「日本酒研究会」。大層な会名だが、単なる飲み会。異業種間交流にもかかわらず、1回も欠かさず、こんなに長い間月例会を続けるとは、やはりみなさん、酒が好きだからだろう。

「明日の日本を語る酒」「聖泉」「東京」「水芭蕉」「尾瀬の雪どけ」と飲み進め、最後6番目にいただいたのは「鹿野山 純米吟醸」だった。和蔵酒造のお酒はこれまで当連載で2種類を取り上げている。うち1つが、この日に飲んだ「聖泉」だ。なぜか今回、和蔵酒造のお酒を2種類飲んだ。さて、「鹿野山」をいただいてみる。

 2番目に飲んだ「聖泉」に似た酒質で、ひとことで言うならば淡麗辛口酒だ。旨みがやや少なく、きれいな酒質。余韻は辛みと渋み。酸はほのか。人工的な独特個性的な含み香を感じる。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「伝統の手造りの技を今に守り、低温でじっくりと時間をかけて発酵させ、その風味をあますところなく引き出したお酒です。米以外の原料を一切使っておりませんので、豊かな芳醇さが特長です」

 瓶のラベルのスペック表示は「アルコール分15度、原料米 ふさこがね(千葉県産)75% 総の舞(千葉県産)25%、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合60%、日本酒度+1、酸度1.6、製造年月1.12」。

 おそらく掛米に使われている「ふさこがね」は、千葉県農業総合研究センター育種研究所が1995年、「中部64号」と「千葉6号」(ふさおとめ。その片親は「ひとめぼれ」)を交配。選抜と育成を繰り返して品種を固定。2004年「ちば28号」と命名、2007年に種苗法登録された主食用米。正式名は「ちば28号」で、「ふさこがね」は一般公募で選ばれた愛称。

 また、おそらく麹米に使われている「総の舞」は、千葉県農業総合研究センター育種研究所が1993年、母「白妙錦」(その母は「玉栄」)と父「中部72号」を交配。育成と選抜を繰り返し開発、2004年に種苗法登録された酒造好適米だ。

 和蔵酒造は統合でできた蔵名だ。これについて、千葉県酒類販売株式会社のウェブサイトは、以下のように説明している。

「明治7年(1874年)創業、『聖泉(池田酒店)』という酒名は、上総掘りの深井戸から泉のごとく湧き出した清水で仕込まれたことから、その名がつけられました。蔵元は、東京湾の直ぐ目の前にあり、内房の海の幸を肴に清酒聖泉は育てられてきました。その味わいは、淡麗ななかにも旨味があり料理の味を引き立てております。近年、『鹿野山』醸造元である原本家と統合し『和蔵酒造』となり(後略)」

 酒名「鹿野山」は、千葉県南西部、君津、富津両市の境にある山(標高 379m)の名にちなむ。

酒蛙

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