メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4145】丹澤山 純米吟醸 ひとめぼれ 冬の足音 火入(たんざわさん)【神奈川県】

2020.2.17 17:14
神奈川県足柄上郡山北町 川西屋酒造店
神奈川県足柄上郡山北町 川西屋酒造店

【H居酒屋にて 全4回の③】

 なじみのH居酒屋から電話がかかってきた。「新しいお酒が入りましたよ」。分かった、すぐ行く。わたくしは、H居酒屋に、1行コメント付きの酒メニューをつくってあげている。酒名と値段だけの一般的メニューだと、お客さんは何がなんだか分からない。そこで、酒質を分かりやすく解説したメニューをつくってあげている。お客さまには好評だという。このコメントを書くには、まず飲まなければならない。

「六根 山廃純米」「蓬莱 ひだほまれ 特別純米」と飲み進め、3番目にいただいたのは「丹澤山 純米吟醸 ひとめぼれ 冬の足音 火入」だった。川西屋酒造店のお酒は当連載でこれまで、「隆」10種類、「丹澤山」を4種類取り上げている。酸・苦・辛が出ているシャープ感あふれるお酒、という強いイメージを持っている。

 この両銘柄のコンセプトの違いについて、神奈川県茅ケ崎市にある青木酒店のウェブサイトは、以下のように説明している。

「川西屋さんが情熱を込めて造っているお酒に変わりはないのですが、隆は一タンクもしくは二タンク限定の瓶囲いです。タンク囲いの良さもあるのですが、瓶囲いによる品質安定と食中酒にこだわる川西屋酒造の集大成ともいえます。幅広く地元で愛される丹沢山に対して隆は米の特性を最大限表現する酒として生まれたものだと、うかがっています」。さて、今回のお酒をいただいてみる。

 酒蛙「酸が出ている」
 店主「すっきりした飲み口。こりゃあいい♪ 旨い、旨い」
 酒蛙「辛みも出ている。シャープ感がある。キレが良い」
 店主「頭で考える必要がなく、普通に飲める。こういうお酒、ほっとするね。食中酒だ。いい塩梅に寝かせた酒だ。クセが無い。普通に旨い」
 酒蛙「酸と辛みが味の主体。旨みもあり、余韻は苦み。キレが良い。まさに食中酒にうってつけだ」

 この酒の裏ラベルのスペック表示は以下の通り。「2016年醸造、新生漢方米ひとめぼれ100%使用、アルコール分17度、原材料 米(国産)米麹(国産米)、原料酒米 2016年度 宮城県産 ひとめぼれ100%使用、精米歩合55%、日本酒度+6.5、使用酵母 協会701、酸度1.6、杜氏氏名 高橋健一、製造年月2019.11月」

 使用米の「ひとめぼれ」は、宮城県古川農業試験場が1982年、「ササニシキ」に代わる宮城県産米のエースを育てるため、母「コシヒカリ」と父「初星」を交配。育成と選抜を繰り返し開発、1992年に品種登録された飯米用品種。現在、わが国の飯米用品種の主力のひとつに育っている。

 瓶の裏ラベルには、以下のようにも書いていた。「瓶貯蔵で2年熟成させたお酒です。常温か55℃以上の熱燗でお召し上がり下さい」。ううう、飲む前に読んでおくんだった! 読まないで飲んだので、冷酒で飲んじゃったよ。でも、H居酒屋は、冷蔵庫の温度を高めに設定しているので、おそらくは10~15℃のものを飲んだとおもわれる。


 前述のように、この蔵の主な銘柄は「丹沢山」と「隆」。これらの名の由来について、「丹澤山」は、蔵の後背地が丹沢山地だから、言わずもがなではあるが、その名に由来するものとおもわれる。

 また、酒名「隆」の由来について、神奈川県茅ケ崎市にある青木酒店のウェブサイトは以下のように説明している。

「お酒は決して、できたてがすべて良いとは、限りません。力のあるお酒はビンテージワインの様に月日が経つことで味が更にまろやかになり、深みが増すこともあります。丹沢山の山の名にちなんで山が隆起するごとく、味も隆起するとの意をこめてつけられたとうかがっています」

酒蛙

関連記事 一覧へ