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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4144】蓬莱 ひだほまれ 特別純米(ほうらい)【岐阜県】

2020.2.16 14:45
岐阜県飛騨市 渡辺酒造店
岐阜県飛騨市 渡辺酒造店

【H居酒屋にて 全4回の②】

 なじみのH居酒屋から電話がかかってきた。「新しいお酒が入りましたよ」。分かった、すぐ行く。わたくしは、H居酒屋に、1行コメント付きの酒メニューをつくってあげている。酒名と値段だけの一般的メニューだと、お客さんは何がなんだか分からない。そこで、酒質を分かりやすく解説したメニューをつくってあげている。お客さまには好評だという。このコメントを書くには、まず飲まなければならない。

 トップバッター「六根 山廃純米」の次は「蓬莱 ひだほまれ 特別純米」だった。当連載でこれまで、「蓬莱」を7種類取り上げている。

 酒蛙「まったりとした調子だ。甘み、旨み、辛みが穏やかに一体化している。」
 店主「よく分かる」
 酒蛙「酸が感じられないのでメリハリ少なく、穏やかに平らかな感じだ。厚みは軽からず重からず」
 店主「本当に穏やかですね」
 酒蛙「若干、菌類的婆ちゃんのタンスの香りがする」
 店主「うん、分かる。木造校舎の香りだ」

 蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。

「蓬莱が目指したのは、『毎晩楽しめるおいしさ、飲むたびに感じる米の奥深さを併せ持つ』純米酒。飲むというよりも、米そのものの滋味をいただいている。そんな満足感のあるおいしさを持ちながら、軽快でなめらか。素材にこだわり、味にこだわり、パッケージ選定に至るまでこだわりを貫き通してうまれた『ひだほまれ』は、農家と蓬莱が二人三脚で造り上げた特別な純米酒です」

 ラベルのスペック表示は以下の通り。「秘宝吟造酒、飛騨酒造米、磨き六割、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、アルコール分15度、原料米 岐阜県産 飛騨ほまれ100%使用、精米歩合60%、種麹 樋口『ひかみ』、使用酵母 明利10号、仕込水 自家井戸清水『不老不死の水』、製造年月30.12」

 使用米の「ひだほまれ」は岐阜県高冷地農業試験場が1972年、母(「ひだみのり」と「フクノハナ」の子)と父「フクニシキ」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、1981年に命名、1982年に種苗法登録された品種。

 酒名「蓬莱」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「渡邉家が酒造りを始めたのは明治3年(1870)、5代目久右衛門章でした。生糸の商いで京都に旅した折に口にした酒の旨さが忘れられず、自ら居するこの地に酒蔵を構え、旨い酒をとの一心で酒造りを始めました。
 出来あがった酒は至極好評となり、酒を愛でる宴で謡曲を謡いながら、えもいわれぬ、珠玉のしずくに酔ったと記されています。その時、謡曲『鶴亀』で謡われた『蓬莱』を銘柄として選びました。『蓬莱』は仙人が住むと云われる不老長寿の桃源郷・・・そして、『蓬莱』は人に慶びを与え、開運をもたらす縁起のよい『酒ことば』です」

酒蛙

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