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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4142】梅乃宿 24BY うめ6(うめのやど)【奈良県】

2020.2.14 14:38
奈良県葛城市 梅乃宿
奈良県葛城市 梅乃宿

【B手打ち蕎麦店で 全4回の④完】

 山仲間のタケちゃん夫妻との忘年会。タケちゃんが住んでいる約100km離れた街に出向く。場所は、いつものB手打ち蕎麦店だ。ここの店主も友人で、趣向を凝らした、とても美味しい料理を作ってくれる。だから、タケちゃん夫妻と飲むのが楽しい。

「ゆきの美人 純米吟醸 超辛 山田錦 6号酵母」「南部美人 辛口 本醸造」「益荒男 純米吟醸」と飲み進め、最後4番目にいただいたのは「梅乃宿 24BY うめ6」だった。梅乃宿のお酒は実に飲む機会が多く、当連載で「梅乃宿」を17種類、「風香」を5種類取り上げている。わたくし行きつけの居酒屋が「梅乃宿」ファンなのだ。

 さて、今回のお酒は、これまでの「梅乃宿」と大きな違いがある。肩ラベルに大書されている「24BY」(平成24年7月1日~25年6月30日の間に醸造された酒、という意味)。ざっと7年古酒ではないか! 「梅乃宿」は、ゆず酒などリキュール類でも全国に名が知られているが、古酒も守備範囲とは知らなかった。

 瓶のラベルのスペック表示を見ると、「製造年月19.7」と記されている。この製造年月は実に曖昧で、蔵によって解釈の違いがみられる。だから、蔵によっては、製造年月を「瓶詰年月と蔵出年月」に分けて明示し、消費者に分かりやすいよう工夫をしているところも見られる。それはともかく、今回のお酒は「製造年月19.7」。ざっくり一般的に考え、2019年7月に蔵出し(出荷)したとすると、およそ7年間、蔵で熟成させたお酒なのだ。

 これについて、東京・築地の酒屋「勝鬨酒販」のウェブサイトは、「『(梅乃宿の)蔵に熟成させているものがある』と弊社担当者と雑談している中でこんな話が出たのですぐさまサンプルを取寄せ。熟成度合いが年によってわかりやすかったので思わず仕入れました」と記している。さて、いただいてみる。

 猪口に注ぐと、酒が若干、色づいているのが分かる。上立ち香は強い熟成香。含むと、王道をいく熟成酒。バニラ、カラメル、シナモン、カカオ、紹興酒を一緒にしたような、香ばしい熟成香が立ち、酸と辛みが出ている。とくに辛みが強い。心地よい酸もなかなか良い。7年も熟成させているので、常識的には味に丸みがかなり出て落ち着き感があるはずなのだが、辛みが元気いっぱいで、落ち着き感はさほど感じられない。また、旨みも出ているが、辛みに押され、あまり出てこない。不思議なことに、梅酒的な味わいに感じる。そう感じるのはわたくしだけなのだろうか。

 瓶のラベルのスペック表示は「製造年月19.7、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料米 備前雄町100%使用、精米歩合60%、アルコール分16度」。

 酒名サブタイトルの「うめ6」の6は何だろうとおもったが、ネット情報によると、この酒は6号酵母を使っているとのことで、その6なのかもしれない。

 この酒のラベルの、どこにも特定名称酒の区分が書かれていない。しかし、複数の酒屋さんのウェブサイトでは、この酒を「純米吟醸」としている。蔵元さんは、酒屋さんに純米吟醸と教えても、消費者には教えてくれないのだろうか??? なぜだろう。いささか問題あり、だとおもう。

 この蔵の主銘柄および蔵名の「梅乃宿」の由来について、日本の名酒事典は以下のように説明している。「明治26年の創業。酒蔵の庭には、樹齢300年を超える古白梅があり、春になるとうぐいすが飛来して、鳴くところからこの名が命名された」

酒蛙

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