メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4138】武勇酒蔵 純米吟醸 生酛 茨城県産ひたち錦(ぶゆう)【茨城県】

2020.2.10 14:28
茨城県結城市 武勇
茨城県結城市 武勇

【B居酒屋にて 全4回の④完】

 当連載「日本酒津々浦々」は、原則として同じ酒を2回載せることはしていない。ごく例外的に2回載せたものが2種類ほどある程度だ。このため常日ごろ、飲んだことがない酒を求めている。このB居酒屋は、わたくしが飲んだことがない酒が冷蔵庫に入っていることが多いので、必然的にしばしば“取材”に訪れることになる。

「金陵 月中天」「七賢」「刈穂」に続いて最後4番目にいただいたのは、「武勇酒蔵 純米吟醸 生酛 茨城県産ひたち錦」だった。「武勇」は何回も飲んでいる印象だが、調べてみたら、当連載でこれまで、2回しか取り上げていなかった。「武勇」というインパクトがある名が、わたくしに勘違いをさせたのだろう。さて、いただいてみる。

 甘みがあり、果実的な味わい。これが第一印象だった。香り穏やか。ややとろみあり、ややセメダイン香(酢酸エチル香)を感じる。余韻は辛みと苦み。この辛・苦がけっこう長く続く。最初、酸を感じなかったが、飲んでいたら、ほんのすこし、酸を感じるようになってくる。最初、やや厚みがあるかな?とおもったが、飲んでいるうちに軽快でやわらかな味わいになってくる。

 瓶のラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料米 茨城県産ひたち錦100%使用、アルコール分16度、精米歩合58%、製造年月2019.10」。

「ひたち錦」は、茨城県農業総合センター生物工学研究所が1991年、母「岐系89号」と父「月の光」(愛知56号)を交配、選抜・育成を繰り返し開発。2003年に品種登録された酒造好適米だ。

 瓶の肩ラベルは「ひたち錦 10 丸福もやし」。何がなんだか、さっぱり分からない。自分たちだけ分かってもいけない。飲み手にも分かるように説明が必要だ。

 これについて、茨城県取手市の中村酒店は、自社ウェブサイトで、以下のように説明している。

「茨城県独自の酒造好適米・ひたち錦を全量使用し、酵母は茨城県発祥の協会10号の元株・高泡タイプの小川酵母、種麹(もやし)は、日立市十王町で製造される『日本醸造工業㈱』の丸福もやしと、すべてを茨城県産のものにこだわり、生もと造りの純米吟醸を醸しました。
同一県内で種麹製造メーカーがあり、協会酵母を輩出しているのは、全都道府県のなかで茨城県と秋田県のみであり、オール茨城のこだわりと誇りを胸に仕込んだお酒となっています」

 肩ラベルの「10」は酵母の番号、「丸福もやし」は麹菌の名前だったのだ。

 酒名および蔵名の「武勇」の由来について、日本の名酒事典は「酒名は、坂東武者の気概を残した土地柄から、尚武の『武』と初代・勇吉の『勇』を合わせたもの」と説明している。

酒蛙

関連記事 一覧へ