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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4124】三笑 純米吟醸(さんしょう)【兵庫県】

2020.1.27 11:39
兵庫県宍栗市 老松酒造
兵庫県宍栗市 老松酒造

【A居酒屋にて 全7回の②】

 酒友オタマジャクシと美女軍団の飲み会が開かれた。この会は、Nオーナーの店について回り、K亭、P店と会場が変遷。今回はA店というわけだ。Nさんは唎酒師ではあるが、日本酒の海外バイヤーの仕事が本業。そして、居酒屋のオーナーを兼ねている、というエネルギッシュな方だ。ただ、生Nさんはいたってシャイ。それでいて、内に秘めた熱い思いが時々ちらっと出る好人物だ。

 一方わたくしは、日本の全現役蔵の酒を飲むことを目指しているが、一人の力では制覇は難しい。このため、複数の方々のお世話になっているが、Nさんも協力者の一人。A店で飲み会を開くたび、わたくしにとっての初蔵酒を何種類か用意してくれる。それがありがたくて、たまらない。本当に感謝、感激だ。

 トップバッターとしてNさん提供の初蔵酒「御殿桜 純米」をいただき、2番目は「三笑 純米吟醸」だった。このお酒は、女性日本酒ライターSさん提供の、わたくしにとっての初蔵酒だ。Sさんは、Nさんからのミッションで、初蔵酒を探してきたのだ。

 黒で決めた美女が、わたくしたちの隣りの席に座り、顔をくしゃくしゃにしながら、いきなり大ぶりのおにぎりに食らいついた。おおっ、居酒屋に来ていきなりおにぎりかよ!と、ドン引きするわたくしたち。その彼女がSさんとは、紹介されて初めて知った。ありがたい。感謝、感謝、だ。

 今回の「三笑」は老松酒造が醸したお酒だが、世に出るまで、ドラマがあった。そのいきさつは、2018年04月25日付のウェブサイト「HYOGO ODEKAKE PLUS+」に詳しい。それを要約すると、以下のようになる。

「兵庫県宍粟市山崎町で約40年前まで造られた地酒『三笑』が地元の2酒蔵の醸造で復活し、その蔵出し式がこのほど、日本酒発祥の地とされる同市一宮町の庭田神社で開かれた。
 三笑は、江戸時代の天保元(1830)年に酒造を始めた有限会社・本家門前屋の銘柄。話が佳境に入ると時間や立場を忘れて意気投合するという中国の故事『虎渓三笑』にちなむ。醸造・販売は1977年で終了し、同社は酒造免許も返納した。
 しかし『山崎中心市街地活性化委員会』が2年前に発足し、三笑の復活が検討された。
 三笑銘柄で売り出すのは、老松酒造が醸造した『純米吟醸』と、山陽盃酒造の『生酛純米』の2種類」

 さて、「三笑 純米吟醸」をいただいてみる。新酒だが、猪口に注ぐと、お酒に黄色っぽい色が付いている。無濾過的な表情のお酒だ。

 美女Mさん「飲んだあとの残り香が華やか。味のふくらみを感じる」
 ウッチー「いいんじゃないすか? 飲みやすい」
 酒蛙「新酒だけど、なぜか古酒香のような香ばしい香りを感じる。不思議だ。酸が立つ。酸が非常に強いね。辛みと旨みが酸の背後に感じられる」
 ウッチー「飲みやすいね」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「宍栗産夢錦100%使用、アルコール分17度、原材料 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合60%、製造年月19.11」。使用米の「兵庫夢錦」は兵庫県立中央農業技術センター酒米試験地が1977年、母(「菊栄」と「山田錦」のF2)と父「兵系23号」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、1986年に命名、1987年に種苗法登録された酒造好適米。

 蔵のホームページには「蔵のある宍粟市は日本酒発祥の地」と書かれている。しかし、日本各地に「日本酒発祥の地」を名乗る所は多い。

酒蛙

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