メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4122】賀儀屋 純米 生酒 星空 ☆☆☆ しずく媛(かぎや)【愛媛県】

2020.1.25 14:39
愛媛県西条市 成龍酒造
愛媛県西条市 成龍酒造

【F居酒屋にて 全13回の⑬完】

 仕事を通じて知り合った、気の合う仲間たちと時々飲んでいる。かれこれもう15年くらいになる。今回は8カ月ぶりくらいの飲み会だが、SNSのグループでつながっているから、“しょっちゅう会っている感が”ある。場所はF居酒屋。店主やスタッフのお人柄が素晴らしく、気持ち良く飲めるお店だ。今回は、わたくしたちのために、さまざまな酒を用意してくれた。全部飲まなければならない。

「川鶴」「月の井」「賀茂金秀」「つきよしの」「寒菊」「蓬莱泉」「奥州光」「大和屋善内」「豊久仁」「蔵太鼓」「基峰鶴」「KIHOTSURU」に続いて、最後にいただいたのは「賀儀屋 純米 生酒 星空 ☆☆☆ しずく媛」だった。「賀儀屋」は飲む機会が多いお酒で、当連載でこれまで、11種類を取り上げている。さて、今回のお酒をいただいてみる。

「賀儀屋」というと、甘酸っぱく分厚く骨太なお酒が多い、というイメージだが、このお酒はなんと、軽めでさわやか、やわらかさがあり、びっくり仰天だ。香りは穏やかで、抑えている印象。味わいは、酸と旨みが中心。余韻は辛み、苦み、渋みが感じられる。きれいで、上品感もある酒質。う~む、わたくしの知っている「賀儀屋」とはずいぶん違う印象。あれも「賀儀屋」、これも「賀儀屋」か。技術の幅が広い蔵だとおもう。

 瓶の裏ラべルは、「三ツ星に願いを込めて」と題し、以下のように述べている。

「目の病気を患うはさみ切絵作家『塩崎剛』氏の代表作『石鎚山とオリオン座』を前面にあしらいました。彼は一切の下書きをせず、自らの心に描かれたモノのみをはさみ一つで創っていきます。オリオン座の中央に並んだ『三ツ星』は、古来より世界中の神話に多く登場し、ここ日本でも『親孝行息子が病の両親を担ぐ姿』によく似ている事から『親かつぎ星』とも呼ばれています。いつの時代も多くの人に勇気と優しさを与え続けてきた三ツ星のように、このお酒は愛媛産しずく媛の持つ柔らかさを最大限活かし、癒しを皆様にお届けすべく一定期間熟成をかけてじっくり旨味を増した本生酒です。煌く満天の星空を眺めながら、心から日本酒をお楽しみ下さいませ」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、アルコール分15.5%、使用米 愛媛県産しずく媛100%、精米歩合60%、製造年月2019.11」。

「しずく媛」は愛媛県農林水産研究所農業研究部が1999年、酒造好適米「松山三井」の細胞培養による突然変異株を得、育成と選抜を繰り返し開発。2010年に品種登録された新しい酒造好適米だ。

 この蔵の銘柄は「賀儀屋」と「御代栄」の2枚看板。「賀儀屋」の歴史について、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「鍵屋本家9代当主、首藤鹿之助によって酒造りはこの地で始まりました。江戸から明治へ時代が大きく変わり、人も同時に大きな変革を迎えた頃です。創業以前は地元庄屋さんの米蔵の鍵を預かる仕事を代々しておりましたが庄屋制度廃止に伴い、この家業が誕生しました」

 また、蔵のホームページは「賀儀屋」の由来について「蔵元屋号から命名された伊予賀儀屋」と説明している。つまり、鍵を扱う仕事をしていたから屋号が「鍵屋」。それが「賀儀屋」に転じた、というわけだ。

酒蛙

関連記事 一覧へ