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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4116】奥州光 一代 純米大吟醸(おうしゅうひかり いちだい)【岩手県】

2020.1.19 17:27
岩手県奥州市 岩手銘醸
岩手県奥州市 岩手銘醸

【F居酒屋にて 全13回の⑦】

 仕事を通じて知り合った、気の合う仲間たちと時々飲んでいる。かれこれもう15年くらいになる。今回は8カ月ぶりくらいの飲み会だが、SNSのグループでつながっているから、“しょっちゅう会っている感が”ある。場所はF居酒屋。店主やスタッフのお人柄が素晴らしく、気持ち良く飲めるお店だ。今回は、わたくしたちのために、さまざまな酒を用意してくれた。全部飲まなければならない。

「川鶴」「月の井」「賀茂金秀」「つきよしの」「寒菊」「蓬莱泉」に続いていただいたのは「奥州光 一代 純米大吟醸」だった。岩手銘醸のお酒を当連載はこれまで、2種類取り上げている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 酒蛙「上立ち香がフルーティーで甘やか、華やか。含むと、甘みがまず来る。甘みは旨みを伴う。酸はあまり感じない。甘みが出ているが、キレが抜群。スパっとすぐいなくなる。潔くキレる」
 W 「うん。すぐにいなくなるね」
 酒蛙「含んでも吟醸香がやや華やか」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「徹底的に岩手にこだわった岩手づくしの地力酒です。酒米作りから始め、地域の力を結集しました。香りがあって、旨みがあり、食中酒としてお楽しみ頂けます」「『一代』は田んぼ=『代』から始まる酒造りの第一章、という意味です。また、奥州前沢の原風景である東稲山を『一』で、北上川を『代』として書体に表現しています」

 上記の中で、「東稲山を『一』」は、「一」の字の中央が盛り上がっているので、何となくわかる。しかし、「北上川を『代』として書体に表現しています」の部分はまったく分からない。「代」の字が北上川には、逆立ちをしても、どうしても見えない。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合50%、原料米 吟ぎんが100%、酵母 ジョバンニの調べ(岩手オリジナル清酒酵母)、麹菌 黎明平泉(岩手初オリジナル麹菌)、アルコール分16度、南部杜氏 三浦健太郎、製造年月 19.8」。

 使用米の「吟ぎんが」は岩手県農業研究センター銘柄米開発研究室が1991年、母「出羽燦々」(その母は「美山錦」、その父は「華吹雪」)と父「秋田酒49号」を交配、育成と選抜を繰り返しながら品種を固定、1999年に命名、2002年に種苗法登録された酒造好適米。

 また、酵母「ジョバンニの調べ」は、岩手県工業技術センターが、岩手の酒に合う酵母を探すため2006年から選抜試験に取り組んで生まれた。岩手県内の各酒造メーカーから「香りが良い」「酸味が少ない酒ができる」と好評だったことから新酵母に決定。2009年の秋から、メーカーに頒布した。酵母名は、宮沢賢治の童話、銀河鉄道の夜の主人公ジョバンニにちなんだ、という。

 この蔵の主要銘柄は「岩手誉」「玉の春」「天瓢」。「奥州光 一代」を出すことになった経緯について、岩手日日新聞社のウェブサイトは2019年3月7日付で、以下のように報道している。

「奥州一代は、精密機械製造デジアイズと岩手銘醸、前沢牛オガタがそれぞれの強みを生かして2014年から製造。前沢牛オガタの牛ふん堆肥を使って、デジアイズがアイガモ農法で酒米『吟ぎんが』を育て、岩手銘醸が製造している」

酒蛙

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