【4112】賀茂金秀 純米 しぼりたて 生(かもきんしゅう)【広島県】

【F居酒屋にて 全13回の③】
仕事を通じて知り合った、気の合う仲間たちと時々飲んでいる。かれこれもう15年くらいになる。今回は8カ月ぶりくらいの飲み会だが、SNSのグループでつながっているから、“しょっちゅう会っている感が”ある。場所はF居酒屋。店主やスタッフのお人柄が素晴らしく、気持ち良く飲めるお店だ。今回は、わたくしたちのために、さまざまな酒を用意してくれた。全部飲まなければならない。
「川鶴」「月の井」に続いていただいたのは「賀茂金秀 純米 しぼりたて 生」だった。この蔵のお酒は飲む機会が多く、当連載でこれまで、11種類を取り上げている。酸が出ている、しっかりした味わいのお酒、というイメージを持っている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。
酒蛙「旨酸っぱい。ジューシー。まろやかな口当たりだが、辛みを伴い、引き締まった味わい」
K 「うん、力強いね」
W 「吟醸香が感じられる」
酒蛙「香りは控えめ。若干、舌先に微発泡をチリチリ感じる。フレッシュだね。派手な味わいではないが、バランスの良い力強さだ」
瓶のラベルのスペック表示は「原料米 八反錦100%、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合60%、アルコール分16度、製造年月2019.11」。
使用米の「八反錦」は広島県立農業試験場が1973年、母「八反35号」と父「アキツホ」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。1983年に命名、1984年に種苗法登録された酒造好適米。今や、「八反錦」といえば広島、広島といえば「八反錦」というほど、全国的に著名な酒米となっている。
蔵のホームページによると、かつての主銘柄は「桜吹雪」だったが、2003年に季節雇用を廃止して社員蔵人による手造りを行い、新ブランド「賀茂金秀」を立ち上げた。
「賀茂金秀」の「賀茂」は、蔵のある場所が旧賀茂郡だったことによる。「金秀」については、東広島市の酒販店「大和屋酒舗」のサイトによると、「杜氏の金光秀起(かねみつひでき、現代表)氏の名前から、『金』と『秀』 の2文字をとって命名されました」とのこと。