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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4111】月の井 彦市 純米 無濾過生原酒(つきのい ひこいち)【茨城県】

2020.1.14 18:07
茨城県茨城郡大洗町 月の井酒造店
茨城県茨城郡大洗町 月の井酒造店

【F居酒屋にて 全13回の②】

 仕事を通じて知り合った、気の合う仲間たちと時々飲んでいる。かれこれもう15年くらいになる。今回は8カ月ぶりくらいの飲み会だが、SNSのグループでつながっているから、“しょっちゅう会っている感が”ある。場所はF居酒屋。店主やスタッフのお人柄が素晴らしく、気持ち良く飲めるお店だ。今回は、わたくしたちのために、さまざまな酒を用意してくれた。全部飲まなければならない。

 トップバッター「川鶴 純米 無濾過生原酒 オオセト」に続いて、店主が持ってきたのは「月の井 彦市 純米 無濾過生原酒」だった。月の井酒造のお酒はこれまで、当連載で4種類を取り上げている。今回のお酒は、4種類の中の「月の井 純米 彦市」(当連載【4021】)の、無濾過生原酒バージョンだ。さて、いただいてみる。

 K 「主張がないかな」
 W 「酸味が無いかな」(直前の「川鶴」が強烈な酸味酒だったので、舌が明らかにその影響を受けたとおもわれる)
 酒蛙「いや、違う。甘み、酸、辛みはちゃんと出ている」
 T 「辛み出ていますね」
 酒蛙「うん、中盤から余韻にかけて辛みが出ている。旨酸っぱさに辛みが加わった味わい。香りは適度に広がる。総じて、けっこうしっかりとした味わいのお酒だ。直前に飲んだ『川鶴』をすこし細くしたようなイメージのお酒だ」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「歴代の蔵元が襲名しておりました『彦市』という名前を商品名として復活させ、地元大洗町での契約栽培米を使用して、ラベルには海を表現しました。『無濾過生原酒』だからこそ味わえる、華やかな香りと、フレッシュ感のある味わいをおたのしみください」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料米 茨城県大洗産チヨニシキ100%、精米歩合65%、酵母K701、アルコール分18度、製造年月19.11」。

 使用米の「チヨニシキ」は、愛知県農業総合試験場山間技術実験農場が1973年、母「初星」と父「トヨニシキ」を交配、選抜と育成を繰り返し品種を固定。1986年に品種登録された食用米だ。

 酒名および蔵名「月の井」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「日本民謡『磯節』の発祥の地、大洗町(当時の磯浜)。この地で『松前屋』の称号で酒造りを始めて漁舟の出舟、入舟に欠かせない祝い酒として愛飲されたのが月の井であり、また月の井を飲みながら歌われたのが磯節でした。この『月の井』の酒名の由来は、磯節の中の一節にある『波の背に乗る秋の月』という文句のとおり、中秋の名月の光を磯に砕ける波頭に受け、金波、銀波に輝く様が実に見事で、その月景にあやかって名付けたと言われています。(徳川時代の水戸八景の一つにもなっている光景です)
 また、創業者の坂本彦市が神奈川県の川崎大師に参拝の折、庭園に弘法大師が飲んでいたという井戸から清冽な水が湧き出ており、『月の井』と称されていたこの井戸の水にあやかって『月の井』と酒名をつけて、飲んでくださる方の健康と厄除けを願ったとも言われています」

酒蛙

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