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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4084】高清水 無濾過 純米 原酒 6号酵母仕込み(たかしみず)【秋田県】

2019.12.22 20:12
秋田県秋田市 秋田酒類
秋田県秋田市 秋田酒類

【S居酒屋にて 全7回の③】

 なじみのうなぎ店で日本酒を7種類飲んだあと、S居酒屋に転戦した。このパターンは、今回で5回目になる。この両店はお酒が重複することがないので、効率的にさまざまなお酒を飲むことができる。近年お気に入りの“お約束コース”だ。

「若波」「吟ダッシュ」「鶴の友」と飲み進め、4番目にいただいたのは「高清水 無濾過 純米 原酒 6号酵母仕込み」だった。「高清水」のお酒は当連載でこれまで5種類を取り上げている。レギュラー酒的なイメージのある銘柄だが、今回は、ビシバシ特定名称酒路線だ。興味津々でいただいてみる。

 K 「ああ美味しい」
 F 「思ったより辛みがある」
 酒蛙「旨みがあり、辛い。非常に辛い。余韻も辛い。アルコール感が強い(後で裏ラベルを見たら、アルコール分18.5度。これなら強いわけだ)。酸は辛みに隠れている印象だが、ずいぶん飲みごたえがある」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「出来立ての純米酒をしぼり、一切濾過せず壜に詰めました。無濾過でしか味わえない、風味とコクをお楽しみ下さい」

 また、裏ラベルのスペック表示は以下の通り。「アルコール分18.5度、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合 麹米60% 掛米65%、日本酒度+2、酸度2.1、テイスティング分類 コクふくらみがけっこうある やや香り高い」

 この酒は、6号酵母を使って醸したことをラベルでうたい、標榜している。6号酵母は、秋田市の新政酒造の蔵が発祥で、それまで不安定だった酒造りを安定したものにし、清酒酒造業を飛躍発展させた画期的酵母。清酒業界が今あるのは6号酵母のおかげ、と言っていいほどの金字塔的存在。新政酒造は、そのプライドのため6号酵母を使い続けている。

 新政酒造の蔵のホームページは、6号酵母について詳しく書書いているので、以下に転載する。

「五代目卯兵衛の採用した近代的酒造技法によって、自ずと選択された蔵付き酵母。これこそが、きょうかい六号酵母(新政酵母)です。この酵母の特徴は、中~低温での安定した増殖力と発酵力。また一般的な蔵付き酵母と比較して、驚くほど酒の酸度が低く、まろやかな味になる点。そして、なんといっても上品で馥郁たる香りです。
 新政の酒が、新酒鑑評会主席を2年連続受賞するなど、その名声が頂点に達するに至った頃、五代目卯兵衛と花岡正庸氏はこの新酵母を研究の対象にすべきとの意見で一致しました。この頃、日本醸造協会は、失敗がつきものだった酒造りを改善しようと、高い醸造適正を有する酵母を選抜・培養し、全国の酒蔵に配布する取り組みを行っていたのです。
 そして昭和5年、花岡氏の弟子であった酒造技師、小穴富司雄氏が、新政のもろみからこの酵母を分離し培養することに成功。 後に、日本醸造協会より『きょうかい六号酵母』の名で発売されることとなったのです。発売直後から、この六号酵母は、全国の醸造家に画期的な一大転機をもたらす酵母となりました。
 以前の酵母とは比較にならない安定した醸造特性、また近代的な酒質が評価され、一躍、日本の醸造方法は、蔵付き酵母に頼る自然発生的なものから、醸造協会が頒布する培養酵母添加方式へと様変わりしたのです。速醸酒母と協会酵母という、現在の一般的な酒造方法は、この時、確立したといえます。
 このようなわけで、六号酵母は、現在頒布されている協会酵母の中で一番歴史の古い酵母となっています」

 酒名「高清水」の由来について、蔵のホームページは、以下のように紹介している。

「弊社は昭和19年、秋田税務署管内の24名の酒造家が企業合同し発足致しました。その後終戦とともに企業整備に関する復活条件が緩和され、離脱する酒造家が相次ぎ現在12名の構成員にて営業しております。その折り戦後新体制の中で、弊社も心機一転新たに酒銘を懸賞公募致しました。5,037点の応募の中から、秋田市寺内大小路(通称『桜小路』)に今もこんこんと湧く霊泉『高清水』にちなんだものとして選ばれました」

酒蛙

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