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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4083】鶴の友 上白(つるのとも)

2019.12.21 23:22
新潟県新潟市 樋木酒造
新潟県新潟市 樋木酒造

【S居酒屋にて 全7回の②】

 なじみのうなぎ店で日本酒を7種類飲んだあと、S居酒屋に転戦した。このパターンは、今回で5回目になる。この両店はお酒が重複することがないので、効率的にさまざまなお酒を飲むことができる。近年お気に入りの“お約束コース”だ。

「若波」「吟ダッシュ」と飲み進め、3番目にいただいたのは「鶴の友 上白」だった。「鶴の友」は、当連載でこれまで、「鶴の友 純米」(当連載【1589】)と「鶴の友 別撰」(当連載【2546】)を取り上げている。以前、「鶴の友 純米」を一緒に飲んだ友人のKさんが、「この蔵の方針は、全国に流通させると競争にもまれて駄目になるから、新潟県内にしか流通させない、とのこと。地酒は地元で飲むものだから、蔵の規模拡大はしない、と言っています」と言っていたのをおもい出した。全国に打って出る蔵もあれば、地元だけに供給する蔵もある。地酒蔵の考えはさまざまだ。

 今回のお酒は普通酒だ。いかにも燗酒向きみたいな顔をしているので、ぬる燗でいただくことにした。顔といってもラベルを見た直感だけで、根拠は全くない。さて、燗酒ができてきた。

 酒蛙「おっ、甘みを感じる。旨みも膨らむ。やわらかくて、穏やかな口当たり。後味は辛み」
 K 「『ツルトモ』(鶴の友のことを、新潟勤務の経験があるKはこういう)は甘みがあるんですよ」
 F 「これぞ普通酒」
 酒蛙「うん、若干アルコール臭が感じられる」
 K 「魂が引いて行くキレの良さ」(なんという表現なのだ!)
 F 「潔いキレだ」
 酒蛙「甘みあり、辛みと苦みと渋みを感じる。軽快感があり、淡麗旨口酒かな」
 K 「苦みがありますね」

 瓶の肩ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール、アルコール分15度以上16度未満、製造年月日1.10.4」。

 酒名「鶴の友」の由来について、ウェブサイト「『日本の名酒』自宅にいながら蔵元巡りの旅」は、以下のように説明している。「良寛にゆかりのある阿部家(旧分水町、現在は燕市)で造られていたお酒の銘柄『明けの鶴』から一字をもらったそうです」

 今回の「上白」と、以前飲んだ「別撰」のラベルの上部に鍵マークが配置されている。「別撰」を飲んだときから、この鍵マークが気になっていた。そこで今回、蔵に直接電話して聞いてみた。非常に親切な蔵人さんが、以下のように教えてくれた。「以前、阿部家の土地(旧分水町、現在は燕市)を借りて酒を造っていた。阿部家の家紋は鍵印だった。その後、今の場所に移って酒造りをしているが、阿部家の鍵紋をお借りし、酒の升に見立てた□印の中に鍵紋を入れ、ラベルに使用している」

酒蛙

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