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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4076】久保田 千寿 純米吟醸(くぼた せんじゅ)【新潟県】

2019.12.16 10:47
新潟県長岡市 朝日酒造
新潟県長岡市 朝日酒造

【Mうなぎ店にて 全6回の①】

 久しぶりに、Mうなぎ店の暖簾をくぐった。うなぎ店なんだけど、女将さんが選ぶ酒が素晴らしく、そしてご主人がつくる料理が絶品。わたくしの大のお気に入りの店だ。お酒も料理も店任せで、至福のひとときを過ごしている。

 今回、女将さんが「最初は『久保田 千寿』はいかがでしょうか?」と聞いてきた。「千寿は何回も飲んでるよ」と拒否姿勢を示したが、女将さんが言うには「この千寿は純米吟醸なんですよ。料飲店先行発売なんですよ」と言うではないか。おおっ、それは初めて聞いた。飲む、飲む、飲むとOKを出す。

「久保田 千寿」は、以前は特別本醸造(当連載【479】)だったが、今は吟醸酒に格上げされている。今回はさらにその上の純米吟醸酒だ。料飲店先行発売ということは、プロトタイプで、消費動向を判断するためなのだろう。さて、いただいてみる。

 酒蛙「香りがほのか。辛みを感じる。さっぱり、すっきり。非常にきれいな酒だ」
 K 「美味しい。ふくよかな旨み」
 M 「旨いな。新潟の酒らしい。飲みやすい」
 酒蛙「いわゆる淡麗辛口酒」
 M 「いわゆる食中酒。これは、誰もが飲める酒だ。この酒、いいな」
 酒蛙「酸と旨みも適度に出ており、辛みとあいまって、バランスが良い。落ち着き感がある」
 M 「飲みやすい。これまでの『千寿』より吟醸感がある。料理と合わせるとまろやかになる」
 酒蛙「食中酒だけど、軽快で、きれいで、極めて上品な酒だ」

 瓶の裏ラベルはこの酒を「綺麗でスッキリした味わい、穏やかな香りの純米吟醸酒」と紹介している。短い紹介文だが、すべてを表現している見事な文章だとおもう。

 また、蔵のホームページは、以下のように紹介している。

「綺麗でスッキリとした味わいと穏やかな香りでバランスのとれた、料理の邪魔をしない純米吟醸酒。口当たりはやわらかく、ドライな飲み口を楽しめます。冷やすとほどよい酸味と飲んだ後のキレが感じられ、常温になるにつれて酸味がたち、旨味の余韻が長く残ります。さっぱりとした料理はもちろん、バターやマヨネーズなどを使ったコクのある料理ともお楽しみいただけます」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米・米麹、精米歩合 麹米50%・掛米55%、アルコール分15度、製造年月日19.10.11」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だが、蔵のホームページは、「原料米 五百万石、アルコール度数15度、日本酒度+3、酸度1.3」と開示している。

 蔵のホームページは、以下のように「久保田 千寿」の歴史を説明している。

「『久保田 千寿』は、1985年の久保田発売時に最初に誕生した、まさに久保田の原点です。約30年前、都会に生きる日本人の労働の礎が、肉体労働から知的労働へ移り変わっていく姿を見て『淡麗辛口』を志向しました。酒造りを根本的に改善し、その当時としては万人向けではない、綺麗であっさりした辛口でありながら、まろやかさを感じさせる味わいを実現。『食事と楽しむ吟醸酒』(酒蛙注…その前は特別本醸造)として広く支持されました。
 時代は移り変わり、30年前とは食生活も変化した現代。日本酒の楽しみ方も、和食だけではなく、幅広い料理と楽しむようになりました。現代の食と共に寄り添いたい、との想いから、『久保田 千寿』の綺麗ですっきりとした特長はそのままに、穏やかな香りでバランスのとれた、料理の味を邪魔しない純米吟醸酒に仕上げたのが『久保田 千寿 純米吟醸』です」

 銘柄名「久保田」の由来について、蔵のホームページは「創業時の屋号を冠し、品質本位の酒造りに決意を込めた酒」と説明している。

酒蛙

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