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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4075】両関 純米(りょうぜき)【秋田県】

2019.12.15 18:38
秋田県湯沢市 両関酒造
秋田県湯沢市 両関酒造

【秋田市にて 全10回の⑩完】

 秋田市在住の友人Yと10年ぶりで飲んだ。同業のYと知り合ったのは30年ほど前。以後、Yとわたくしはずっと同じような仕事をしてきた。会議でよく顔を合わせ一緒に飲んだものだった。会社を卒業してもSNSで毎日お互いの投稿をチェックしているので、10年ぶりに会った感覚は全くない。いまの言葉で言えば、SNSのオフ会のようなものだった。

 会った場所は、炉端焼き風の居酒屋。酒の種類が多い店を、というわたくしの希望を受け入れ、Yが選んだものだ。せっかく秋田に来たのだから、秋田県の酒だけを飲むことにした。メニューの上から順番に飲んでいった。

「秋田晴」「秋田誉」「阿桜」「奥清水」「竜乃涙」「穂円」「千歳盛」「出羽の冨士」「春霞」に続いて最後10番目に飲んだのは「両関 純米」だった。両関酒造のお酒は、当連載でこれまで、「花邑」3種類、「翠玉」3種類、「両関」1種類を取り上げている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 最初にちょっと甘みを感じたが、甘みはほどなく感じなくなる。代わって出てくるのは辛み。中盤から後味は辛み。この余韻の辛みがずーっと続く。純米酒だが、吟醸香はやや華やか。アルコール感がある。非常に淡麗で、清らかなお酒だとおもった。いわゆるところの淡麗辛口酒に分類されるお酒だが、淡麗辛口ながら香りも立つという特長がある。

 蔵のホームページはこのお酒を以下のように紹介している。「両関の純米酒シリーズに新たな商品が加わりました。 さわやかな香りと果実のような味わいが、口の中に広がるフルーティーな純米酒です。全国燗酒コンテスト2017お値打ちぬる燗部門金賞受賞。ワイングラスでおいしい日本酒アワード2018・メイン部門金賞受賞」

 瓶のラベルのスペック表示は「製造年月19.03、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、アルコール分16度、精米歩合59%、香り やや芳醇、味わい やや辛口、やや淡麗」。使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 しかし、蔵のホームページは、この酒のスペックを「原料米 秋田県産 ゆめおばこ100%、精米歩合59%、日本酒度+0.5、酸度1.3、アルコール分16.0度」と表示。原料米を「ゆめおばこ」と開示している。使用米の「ゆめおばこ」は、秋田県農林水産技術センター農業試験場が1995年、母「岩南8号」と父「秋田58号」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。2008年に命名、2010年に種苗法登録された。「あきたこまち」に代わる米として期待されている主食用米。

 蔵名および主銘柄「両関」の由来について、コトバンクは、以下のように説明している。「清酒の酒名に多く使われる『正宗』は鎌倉の刀工・正宗に由来するが、これを作刀における東の大関に見立て、京の三条宗近を西の大関とし、東西の名匠にあやかり酒名を『両関』とした」。ちなみに、大関とは大相撲の番付の最高位のこと。当時は横綱が無く、大関が今の横綱的存在だった。

酒蛙

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