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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4070】竜乃涙 純米吟醸 くろ(りゅうのなみだ)【秋田県】

2019.12.12 23:09
秋田県秋田市 那波商店
秋田県秋田市 那波商店

【秋田市にて 全10回の⑤】

 秋田市在住の友人Yと10年ぶりで飲んだ。同業のYと知り合ったのは30年ほど前。以後、Yとわたくしはずっと同じような仕事をしてきた。会議でよく顔を合わせ一緒に飲んだものだった。会社を卒業してもSNSで毎日お互いの投稿をチェックしているので、10年ぶりに会った感覚は全くない。いまの言葉で言えば、SNSのオフ会のようなものだった。

 会った場所は、炉端焼き風の居酒屋。酒の種類が多い店を、というわたくしの希望を受け入れ、Yが選んだものだ。せっかく秋田に来たのだから、秋田県の酒だけを飲むことにした。メニューの上から順番に飲んでいった。

「秋田晴」「秋田誉」「阿桜」「奥清水」に続いて5番目に飲んだのは「竜乃涙 純米吟醸 くろ」だった。那波商店のお酒は当連載でこれまで、2種類を取り上げている。今回の酒はどうか。いただいてみる。

 やわらかな口当たり。甘酸っぱい。フルーティー&ジューシー。じわじわ旨みが出てきて余韻は辛み。いまの酒造業界のトレンド的な味わいを軽めにしたようなお酒だった。軽快旨口酒。これは旨い。飲み飽きしないので、酒だけでも飲めるような飲み口・味わいのお酒だった。

 蔵のホームページはこの酒を「軽快な口当りと後味の旨味が特徴の純米吟醸酒」と紹介している。

 また、瓶の裏ラベルは、酒名「竜乃涙」の由来について、以下のように説明している。

「大地と天空を自由自在、雄大に飛翔する竜。古来、竜は伝説上の生き物として様々に登場しますが、日本神話・ヤマタノオロチ、古墳に描かれる四神の青竜、全国各地には竜神様や寺院の鳴竜と私達の身の周りにも数多く存在します。『竜の涙は万病の薬』。ある物語の中に出てくる一文です。物語では涙を求めて竜と人のストーリーが展開していきますがそんな竜の涙を想い描いてみた物語の一品です」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「アルコール分16度以上17度未満、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合55%、製造年月01.8」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だが、蔵のホームページでは「原料米:秋田酒こまち」と開示している。「秋田酒こまち」は秋田県農業試験場が1992年、母「秋系酒251」(その母は「五百万石」)と父「秋系酒306」(その父は「華吹雪」)を交配。育成と選抜を繰り返し開発、2004年に品種登録された酒造好適米だ。

 この蔵の主銘柄は「銀鱗」。蔵のホームページは、酒名「銀鱗」の由来について、以下のように説明している。「躍る銀鱗かもめの港 お浜大漁の日が昇る・・・と歌うソーラン節。 港に近いこの蔵の愛飲家はかつて多くの漁師たちであったことから、その大漁と安全を願って酒銘としました」

酒蛙

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