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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4069】奥清水 純米(おくしみず)【秋田県】

2019.12.11 13:47

【秋田市にて 全10回の④】

 秋田市在住の友人Yと10年ぶりで飲んだ。同業のYと知り合ったのは30年ほど前。以後、Yとわたくしはずっと同じような仕事をしてきた。会議でよく顔を合わせ一緒に飲んだものだった。会社を卒業してもSNSで毎日お互いの投稿をチェックしているので、10年ぶりに会った感覚は全くない。いまの言葉で言えば、SNSのオフ会のようなものだった。

 会った場所は、炉端焼き風の居酒屋。酒の種類が多い店を、というわたくしの希望を受け入れ、Yが選んだものだ。せっかく秋田に来たのだから、秋田県の酒だけを飲むことにした。メニューの上から順番に飲んでいった。

「秋田晴」「秋田誉」「阿桜」に続いて4番目に飲んだのは「奥清水 純米」だった。「奥清水」は当連載でこれまで、普通酒の「奥清水 精撰」(当連載【2066】)を1種類取り上げている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 甘みあり、やわらかでさっぱりとした口当たり。一番最初に甘みを感じたが、まろやかな旨みもあり、中盤から余韻にかけては辛み。後味の辛みが長い。酸はあまり出てこない。香りは穏やかで控えめ。酒名を具現化したきれいなお酒。ひとことで言えば、きれいな甘辛酒だ。

 蔵のホームページはこの酒を「原材料は秋田県産めんこいなを60%磨き上げた、やわらかい味わいの純米酒です」と紹介している。

 瓶のラベルのスペックは「アルコール分15度、原材料名 米・米麹、精米歩合60%、製造年月1.5」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だが、蔵のホームページでは「秋田県産 めんこいな100%使用」と開示している。使用米の「めんこいな」は、秋田県農業試験場が1988年、母「ひとめぼれ」(その母は「コシヒカリ」)と父「あきた39」を交配、育成と選抜を繰り返し品種を固定。2001年に種苗法登録された主食用米。

 肩ラベルに「秋田六郷、清水の里」と書かれている。蔵のホームページでも以下のように紹介している。「美郷町六郷は秋田県南部随一の清水の里として知られています。その清水の数は今現在でも60以上はあると言われ、湧き水は生活水として使われています。その透き通っている水に感動して遠方からわざわざ湧き水を汲みに来る方もいるそうです」。これが酒名の由来となった。

酒蛙

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