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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4068】阿桜 かまくら 純米(あざくら)【秋田県】

2019.12.11 13:39
秋田県横手市 阿櫻酒造
秋田県横手市 阿櫻酒造

【秋田市にて 全10回の③】

 秋田市在住の友人Yと10年ぶりで飲んだ。同業のYと知り合ったのは30年ほど前。以後、Yとわたくしはずっと同じような仕事をしてきた。会議でよく顔を合わせ一緒に飲んだものだった。会社を卒業してもSNSで毎日お互いの投稿をチェックしているので、10年ぶりに会った感覚は全くない。いまの言葉で言えば、SNSのオフ会のようなものだった。

 会った場所は、炉端焼き風の居酒屋。酒の種類が多い店を、というわたくしの希望を受け入れ、Yが選んだものだ。せっかく秋田に来たのだから、秋田県の酒だけを飲むことにした。メニューの上から順番に飲んでいった。

「秋田晴 純米」「秋田誉 秋田美人 純米」に続いて3番目に飲んだのは「阿桜 かまくら 純米」だった。「阿桜」は当連載でこれまで、7種類を取り上げている。メリハリの利いたしっかりとした味わいのお酒、という好印象を持っている。今回のお酒はどうか。横手のかまくら、として有名な雪洞の絵をラベルに用いている。さていただいてみる。

 すっきり、さっぱりした口当たりで、キレが非常にいい。これが第一印象。酸があり、旨みやや少なく、甘みが少ない味わい。とくに酸がいい。酸がきれいだから、全体として非常にきれいな酒に仕上がっている。まったく飲み飽きしないお酒。食中酒や宴会酒に最適だ。

 蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。「大潟村産ふくひびきを70%精米し、秋田流寒仕込みで醸しました。口当たりが優しく、スッキリとしたのど越しの純米酒。冷や・常温はもちろん、燗上がりするお酒です」

 瓶のラベルのスペック表示は「精米歩合70%、アルコール度14度、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、製造年月1.9」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だが、ホームページでは以下のように開示している。「原料米 ふくひびき、母 協会901号、日本酒度+4、アルコール度14.3度、酸度1.8」

 使用米の「ふくひびき」は農林水産省東北農業試験場水田利用部稲育種研究地が1982年、母「コチヒビキ」と父「奥羽316号」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。1993年に命名、1995年に種苗法登録された、他用途向け、超多収を目標に育成された多収品種。他用途とは、主食用米以外に使用するコメという意味だ。

 酒名および蔵名「阿櫻」の由来について、蔵のホームページは、「横手市のシンボルである横手城の別名は、『阿櫻城』とも呼ばれております」と説明している。

酒蛙

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