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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4060】鷗樹 生酛造り 純米吟醸 無濾過原酒 青鷗樹(おうじゅ)【栃木県】

2019.12.6 22:19
栃木県小山市 杉田酒造
栃木県小山市 杉田酒造

【Z料理店 全6回の①】

 早稲田大学野球部OBと、脳みそが野球データベース化している元同僚、そしてベイスターズファンのわたくし、この3人がZ料理店で飲んだ。3人がカウンターに陣取り、野球にめったやたらと詳しい店主と相対しながら、野球談議をしよう、という試みだ。好きな野球について語り合うのだから、場が盛り上がらないわけがない。4時間も語り続けた。

 最初に選んだ酒は「鷗樹 生酛造り 純米吟醸 無濾過原酒 青鷗樹」だった。杉田酒造のお酒は、当連載でこれまで「鷗樹」3種類、「雄東正宗」3種類、「発光路強力」3種類を取り上げている。復刻米「強力」を使った酒造りに特徴がある蔵だ。今回も使用米が「強力」だ。いただいてみる。

 さらりとした口当たり。これが第一印象。後味が辛み。遅れて酸がすこし顔を見せる。香りは抑えられている。甘みと旨みがやや少なく、ひとことで言えば、“淡麗やや辛口”という酒質。「強力」は、シャープできれいなお酒ができる傾向にあるが、今回のお酒もまさしくそうだった。また、生酛はひところ、ガツンとくる骨太な酒が多かったが近年、“きれいな生酛酒”がずいぶん見られるようになってきた。これもその一つだ。実に飲みやすい。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「一回火入れ、通称 青鷗樹、原材料 米(国産)米麹(国産米)、原料米 栃木県産『強力』100%、精米歩合55%、アルコール度数15度、日本酒度+5.5、酸度1.9、酵母 協会酵母601号、製造年月 2019.5(瓶詰日)、製造責任者 杉田泰教(南部杜氏)」。

 使用米の「強力」について、鳥取市の中川酒造のホームページは、以下のように解説している。

 「『強力』は大正時代に鳥取県立農事試験場により系統分離され、特産酒米として一時期には六千余町歩も生産されていました。昭和20年代の食糧難の時代、反当りの収穫量の少なさ、尋常でない背丈、大粒の為の倒伏の危険といった理由から、特産酒米『強力』は姿を消しました。
 現在、全国には、約二千の酒造場があり、『山田錦』『五百万石』をはじめとする酒米が流通していますが、原材料のうえでの地方色はほとんど無いといえます。しかし、フランスのワインを例にとれば、『アペラシオン・コントローレ』(A・O・C原産地統制呼称法)という制度が敷かれており、優れたワイン生産地には、その土地独自の葡萄の品種、収穫量、醸造法などを国が規制し、地ワインの地域性、伝統、品種が守られています。日本酒銘柄の独自性、そして地酒の持つ意味もそうあるべきではないかとの想いから、強力米にこだわり復活を願いました。
 鳥取大学農学部で、永年、少量だけ育種、保存栽培されていた種籾から、やっと、わずかではありましたが、単一品種醸造ができる量まで収穫することができました。本来の米づくりを大切にする為、化学肥料、農薬など、近代農法は避け、有機栽培に徹し、平成元年晩秋に、見事、酒米『強力』は復活しました。その強力米と清らかな水を使った地酒がここに蘇りました」

 酒名「鷗樹」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。「製造責任者の母校『白鷗大学』より一文字。母校のように地元に根付きさらに成長できるよう『樹木』の『樹』。鷗樹と名付けました」

 また、主銘柄「雄東正宗」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。「創業当時の銘柄名は『優等正宗』でしたが、品評会で8回連続優等賞を受賞した際に当時の税務署長から『関東』の『英雄』と称えられた事から『雄東正宗』となりました」と説明している。

酒蛙

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