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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4059】天花 純米吟醸 無濾過原酒 酒こまち仕込み(てんか)【秋田県】

2019.12.5 15:50
秋田県横手市 大納川
秋田県横手市 大納川

 休日の夕方、ふらりと近所のうなぎ屋へ。うなぎはもちろん美味しいのだが、酒がいい。定番酒はありきたりの地酒3種類ほどだが、店主の“隠し酒”が面白い。この場合の面白い、は特段意味のある言葉ではない。わたくしの興味をそそる酒が多い、ということだ。どんなルートで入れているのか興味のあるところだが、あえて聞かないことにしている。

 席につくと、店主が、おすすめのお酒を持ってきた。今回は「天花 純米吟醸 無濾過原酒 酒こまち仕込み」だった。この蔵のお酒は一度、普通酒の「大納川 限定復刻版」(当連載【2064】)を飲んだことがある。さて、いただいてみる。

 一口目。一瞬、甘酸っぱい酒、と思ったが、すぐに辛みが味を支配する。後味の辛みが強い。辛みの余韻が長く続く。しかし、甘みも旨みも適度にあるので、ただ辛いだけのドライ酒と違って好ましい。ジューシー感はあるが、後味の辛みが強いため、力強い酒質に感じる。辛みが強いのでアルコール度数が高いのだろうか、とおもい瓶の裏ラベルを見たが、ふつうの16度だった。含み香は、昭和レトロ感的クラシカル香がややする。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、秋田県産酒こまち100%使用、アルコール分16度、精米歩合55%、製造年月1.10」。

 使用米の「秋田酒こまち」は秋田県農業試験場が1992年、母「秋系酒251」(その母は「五百万石」)と父「秋系酒306」(その父は「華吹雪」)を交配。育成と選抜を繰り返し開発、2004年に品種登録された酒造好適米だ。

 この蔵の社名は以前、「備前酒造本店」だったが、このほどメーンブランドの「大納川」に社名を変更した。これを機に世に出したのが新ブランドの「天花」だった。辞書によると、天から降る雪を花にたとえて「天花」というんだそうな。

 以前の社名が「備前酒造本店」であることは意外。秋田県になぜ、備前国(岡山県東部などで構成された江戸時代の国)の名が???

 蔵の以前のホームページを見ると、以下のように説明していた(現在ホームページは閉鎖中)。

「備前酒造本店は、横手市の北西、霊峰保呂羽山の麓、国の重要無形文化財『霜月神楽』が伝わる大森町にあります。備前酒造本店という名が示すとおり先祖は備前の国(現在の岡山県)の船乗りであったようです。酒造りは四代前海産物問屋を営んでいた備前才治が、大正三年に創業し、時の貴族院議員土田万助翁により、大森町の中心を流れる大納川にちなみ『大納川』と命名されました」

酒蛙

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