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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4057】北島 酸基醴酛 蔵付乳酸菌添加酒母 純米吟醸 玉栄 Motto GO GO(きたじま さんきあまざけもと)【滋賀県】

2019.12.3 14:19
滋賀県湖南市 北島酒造
滋賀県湖南市 北島酒造

【B居酒屋にて 全4回の③】

 当連載「日本酒津々浦々」は、原則として同じ酒を2回載せることはしていない。ごく例外的に2回載せたものが2種類ほどある程度だ。このため常日ごろ、飲んだことがない酒を求めている。このB居酒屋は、わたくしが飲んだことがない酒が冷蔵庫に入っていることが多いので、必然的にしばしば“取材”に訪れることになる。

「東洋美人 純米大吟醸 白鶴錦 40」「陸奥八仙 レイメイ 99」と飲み進め、3番目にいただいたのは「北島 酸基醴酛 蔵付乳酸菌添加酒母 純米吟醸 玉栄 Motto GO GO」だった。北島酒造のお酒は当連載でこれまで、4種類を取り上げている。今回の酒はどうか。ラベルが普通じゃないので、興味津々でいただく。

 酒蛙「辛い。余韻も辛み」
 仲居さん「旨い。どの場面かで酸が出ている」
 酒蛙「うん。乳酸飲料のような酸が適度に出ているね」
 仲居さん「思っていたより飲みやすい。おいしい」
 酒蛙「辛みが苦みを伴う。かなりの辛口だ。飲んでいるとそのうち、終盤に甘みがすこし感じられるようになる。アルコール臭も感じられるようになる。含み香の、ばあちゃんの箪笥の香りというか菌類的香りというか、そのような香りがいい。ただ辛いだけのドライな酒ではなく、甘みと旨みも感じられる辛さなので、好感が持てる」

 江戸末期の古文書に記録がある酒母の製造法「酸基醴酛」について、瓶の裏ラベルは、以下のように説明している。普通でないことをした場合、このようにラベルで説明してくれれば、ありがたい。ただ、全員が理解できるように書くのは難しいだろうなあ。

「生酛でもない。山廃でもない。速醸でもない。その名は酸基醴(さんきあまざけもと)。明治の世に編み出されたが、管理の難しさから幻となった酒母の製法。米・水・麹を高温糖化し甘酒を造る。生酛仕込の酒母から取り出した乳酸菌を投入し、酵母による醗酵を促す。うーん、あまりにも難しすぎるので、商品名をキャッチ―にしちゃいました。基(もと)と酛(もと)で『Motto GO GO』」

 ひとことで言うならば、甘酒を発酵させて清酒を造ったもので、腐敗防止の乳酸は、市販のものではなく、蔵に居ついている乳酸菌によるものだ。裏ラベルのスペック表示は「酸度2.4、日本酒度+10、使用酵母7号、近江産玉栄100%使用、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、アルコール分18度、精米歩合55%、製造年月19.10」

 使用米の「玉栄」は愛知県農業試験場が1954年、母「山栄」と父「白菊」を交配。育成と選抜を繰り返し開発、1965年に命名された酒造好適米。現在は滋賀県を中心に栽培されている。

酒蛙

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