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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4042】今錦 特別純米 ひやおろし 中川村のたま子(いまにしき)【長野県】

2019.11.17 18:26
長野県上伊那郡中川村 米澤酒造
長野県上伊那郡中川村 米澤酒造

【TU会例会 全6回の①】

 2カ月に1回のペースで、M居酒屋で開いている異業種間飲み会「TU会」。今回は7人が参加、にぎやかに飲み、にぎやかに酒を論評し合った。

 店主がトップバッターとして持ってきたのは「今錦 特別純米 ひやおろし 中川村のたま子」だった。わたくしが、「あ、それ、前に飲んだことあるよ」と言って、スマホでラベル写真を見せた。「今錦 特別純米 おたまじゃくし ひやおろし」(当連載【336】)のことである。わたくしは、当連載に使用した写真をすべてスマホに入れ、瞬時に検索できるようにし、重複掲載を防いでいる。

 これに対し、店主が事も無げに言った。「これは『中川村のたま子』なんです」。つまり、【336】は「おたまじゃくし」、今回は「中川村のたま子」というわけだ。両者、どう違うのか。蔵のホームページの記述を以下に要約する。

「『おたまじゃくし』は中川村飯沼の棚田の美山錦を使用してきましたが、棚田の米で作るので数が少なく、多くの方に味わっていただくことができません。そこで、同じ造りをベースにしながら中川村全域の美山錦を使用しふくよかな味わいに仕上げたのを『中川村のたま子』としました。こうして、『おたまじゃくし』の妹分として誕生したのが『中川村のたま子』です。『中川村のたま子』ならではの力強さをお楽しみください」。では、いただいてみる。

 酒蛙「やわらかな口当たり。酸が立っている。すっとキレる」
 SA「淡麗だ」
 W 「辛みがある」
 U 「うん、辛い。最近、このような酒質のお酒を飲んでいないなあ」
 酒蛙「さらっとしている。素朴な味わい」
 TU「酸の後ろに甘みがある」
 酒蛙「酸が立ち、旨みがじわじわ出てくる。軽快感がある。酸がいい。まさに食中酒だ」

 蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。「中川村産の酒米を使用し酒槽で搾った特別純米酒をじっくりと秋まで熟成させました。ふくよかながらもキレのある味わいです」

 瓶のラベルのスペック表示は「原材料名 米 米こうじ、原料米 長野県産美山錦100%、精米歩合59%、アルコール分16度、製造年月2019.8」

「今錦」の「おたまじゃくし&中川村のたま子シリーズ」は、生原酒=手足がまだ生えていない、特別純米=足だけ生えている、ひやおろし=手足が生えている、と「おたまじゃくし」の絵を3通りに使い分けている。酒の熟成とともに、オタマジャクシの手足が増え、成長している姿が描かれている。なんというアイディア。お見事。春に小さかったウグイスの絵が、ひやおろしになると成長し大きく描かれる「庭のうぐいす」(福岡県)も同様の発想だ。

 酒名「今錦」の由来について、「日本の名酒事典」は「創業は明治40年。先祖に草相撲の横綱がいて、その四股名からとられた酒名」と説明している。

酒蛙

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