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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4032】萩の鶴 純米酒 極上(はぎのつる)【宮城県】

2019.11.6 22:12
宮城県栗原市 萩野酒造
宮城県栗原市 萩野酒造

 遠く離れている友人からお酒が2本送られてきた。「萩の鶴 純米吟醸」と「萩の鶴 純米酒 極上」の2本。わたくしが萩野酒造(宮城県栗原市)のお酒が好きなことを知っている友人が、宮城県栗原市出身の奥さまが里帰りする際、「萩の鶴」を買ってくるよう頼んだのだという。なんという心配り。ありがたい。感謝感激だ。

 このうち「萩の鶴 純米吟醸」は当連載【2656】で紹介済みなので、ここでは「萩の鶴 純米酒 極上」だけを取り上げる。萩野酒造のお酒はこれまで、当連載で「萩の鶴」19種類、「日輪田」10種類の合わせて29種類を取り上げている。飲む機会が多い酒であり、しかもわたくしの口に合うお酒だから種類を飲んでいる、という結果になるのだろう。酸と旨みが感じられる、重からず軽からずのすっきりしたきれいな飲み口で、まったく飲み飽きしない、しかも品のあるお酒だという好印象を持っている。造り手の品格が、そのままお酒にあらわれているようなお酒が多い。わたくしが大好きな造り手の一人だ。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 グラスに注ぐと、メロンのような香りが立ち上がる。しかし、含み香はそれほど立たない。軽快でさっぱりとした口当たりで、酸が強く出ている。舌の両側から酸がじわじわ体内に入ってくるような印象。甘み適度、旨みは甘みより多め。余韻は軽い苦み。軽くてやわらかな飲み口で酸が出ているため、全く飲み飽きしない。まさに食中酒。これはいい。クセが全く無く、非常にきれいな酒だ。ありそうで無いお酒だとおもう。燗映えも間違いのないところ。このようなお酒を、いつもそばに置いておきたいものだ。

 瓶のラベルのスペック表示は「宮城県産『蔵の華』100%使用、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合50%、アルコール分15度、製造年月2019.8」。精米歩合50%だと純米大吟醸を名乗ってもいいところだが、あえて純米を名乗っている。

「蔵の華」は宮城県古川農業試験場が1987年、母「東北140号」と父「『山田錦』と『東北140号』の子」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、2000年に品種登録された酒造好適米だ。稲は倒伏しづらく、病気に強く、穏やかな香りとすっきりした味わいの酒ができるのが特徴という。

 酒名「萩の鶴」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「ここ金成有壁(かんなりありかべ)は、その昔『萩の村』と呼ばれていました。その名の通り萩の花の美しさで知られ、今でもたくさんの萩が見られます。そこから『萩』をとり、縁起のよい『鶴』と組み合わせて名付けました。昔から地元で幅広く愛されてきた当蔵の中心銘柄で、宮城らしいキレイでスッキリとした飲み飽きのしない酒質を目指します。味の濃すぎない上品な和食や、クセの強過ぎない新鮮な海の幸等と合わせて欲しいお酒です」

酒蛙

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