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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4030】醸し人九平次 純米大吟醸 雄町 SAUVAGE 2018(かもしびとくへいじ ソバージュ)【愛知県】

2019.11.4 21:36
愛知県名古屋市 萬乗醸造
愛知県名古屋市 萬乗醸造

【日本酒研究会月例会 全7回の⑦完】

 異業種間の日本酒研究会。単なる飲み会だが、ちょっと気どって研究会だ。足掛け13年目に突入した超長寿飲み会。M居酒屋で毎月開いてきたが、この間、一度も休まず飲んできた。みなさん、なんと研究熱心なことか。今回は5人での月例会となった。

「白隠正宗」「嵐童」「奥」「小夜衣」「駿州中屋」「羽根屋」と飲み進め、最後7番目にいただいたのは「醸し人九平次 純米大吟醸 雄町 2018」だった。「醸し人九平次」は飲む機会の多い酒で、当連載ではこれまで、12種類を取り上げている。

 いま、日本酒業界は、甘旨酸っぱいお酒が主流となっており、各蔵とも、このような味の酒を世に出している。その“走り”のころ、甘旨酸っぱいジューシーなお酒で全国の耳目を集めたのは「醸し人九平次」だった。今や「醸し人九平次」のレベルの高さは誰しもが認めるところとなり、確固たる地位を築いているが、その当時は「新しい日本酒の幕開け」を予感させる光が輝き始めていた。

 今回の酒は「醸し人九平次 純米大吟醸 雄町 SAUVAGE」(当連載【2634】。2016年)と同じだろう。当連載では同じ酒の複数掲載はしていないが、今回は醸造年度が違うという、こじつけ的理由で、取り上げてみた。さて、いただいてみる。

 Y 「あ、旨い、旨い」
 M 「香りはそれほど立っていない」
 酒蛙「比較的さらっとした口当たりだが、旨みがあり、おくゆかしい酸がある。南国フルーツのような香りも、旨みも酸も上品。余韻は苦み。甘旨酸っぱくてジューシー、キレの良いお酒だ」
 M 「このお酒は酸があっていい」
 K 「美味しい」
 M 「バランスが良い」
 酒蛙「そうそう。ふくよかだが、厚からず、薄からずでバランスが良い。酸がいいなあ。以前はもっとボリューム感があるパワフルな印象だったが、味が抑え気味で、大人しい上品なお酒にまとめている印象を受ける。気のせいかもしれないが・・・」

 瓶の裏ラベルは、「皆様の食のシーン・テーブルが、この品と対話して頂くことで、より一層楽しく相乗されることを造り手として願っております」としたあと、以下の教育的指導をしている。ビギナーはビビるかもしれないが、いずれも真っ当なアドバイスである。

「〈酒器〉ワイングラスでお召し上がり頂くと、香り、表情を多岐に感じて頂けると思います。
〈温度〉お召し上がりいただく品温にて表情の多様性を見せて行きます。
〈相性〉お料理の相性により楽しみ方の幅が広がります。
〈変化〉開栓直後から時間軸と共に印象が変わっていきます。その変化をお楽しみ下さい。
〈保管〉保管温度で、熟成のスピードが違って参ります。お手元でも保管は冷蔵をお選び頂くと、複数年コンディション良き熟成を見せて行きます。
〈西暦〉西暦は、おコメが収穫された年になります。この品にて皆様のその年を思い返して頂くキッカケになれば幸いです」

 瓶の表ラベルのスペック表示は「アルコール分16度、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合50%、雄町100%使用」、また裏ラベルには「チーフブリュアリスト佐藤彰洋、製造年月2019.9」と書かれている。

「醸し人九平次」は1997年に登場し、またたくあいだに全国に名を広め、地酒トップグループに上り詰めた。蔵元・久野九平冶(代々の当主が九平冶を名乗る)さんの名にちなむ酒名である。

 また、今回の酒の副題「SAUVAGE」(ソバージュ)は、フランス語で「野性的」「ワイルド」という意味だ。雄町酒だから野性的なのかな?

酒蛙

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