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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4026】奥 THE MOON 満月 純米吟醸 おりがらみ 生酒(おく)【愛知県】

2019.10.31 20:40
愛知県西尾市 山崎合資
愛知県西尾市 山崎合資

【日本酒研究会月例会 全7回の③】

 異業種間の日本酒研究会。単なる飲み会だが、ちょっと気どって研究会だ。足掛け13年目に突入した超長寿飲み会。毎月開いてきたが、この間、一度も休まず飲んできた。みなさん、なんと研究熱心なことか。今回は5人での月例会となった。

「白隠正宗 少汲水 純米」「嵐童 純米吟醸」と飲み進め、3番目にいただいたのは「奥 THE MOON 満月 純米吟醸 おりがらみ 生」だった。山崎合資のお酒はこれまで、当連載で5種類取り上げており、うち4種類が「奥」だ。さて、今回のお酒をいただいてみる。

 酒蛙「微発泡があり、すっきりとした味わい。微発泡酒は甘みが来る場合が多いが、これは甘みがすくない」
 F 「これ、いい。美味しい」
 M 「香りはほのか」
 酒蛙「酸はすこし。最初の1~2口目は甘みがすくなかったが、飲んでいたら、甘旨みが出てきた」
 M 「美味しい」
 酒蛙「含み香に『奥』独特のDNAあり。甘旨苦みと、少しの酸。余韻は苦み。この苦みがけっこう強い。微発泡で爽快感があるので、味の濃い料理に合いそうだ」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、アルコール分15.5度、精米歩合55%、製造年月19.07」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 瓶の封緘ラベルが上から「満月 半月 三日月」の絵。これで「OCU」(奥)と読ませる。面白い。

 また、今回の酒の瓶の裏ラベルには「コンセプト ワーカーズ セレクション」と題し、以下の文章を掲載している。

「我々はいつから、お酒を『頭で飲む』ようになってしまったのでしょう。本来のお酒の楽しみ方は、その土地の風土や造り手の哲学が1本のボトルに表現されたお酒を、それぞれの飲み手が自らの『感性』でもって楽しむことが一番だと考えます。コンセプト・ワーカーズ・セレクションは、このような『感性に訴えるモノづくり』を一番に開発された商品たちです」

 全国の18酒蔵がこれに参加している。「奥」もその一つで、今回の酒は、このセレクションの商品の一つ。セレクションの商品の裏ラベルには必ず、この口上が掲載されている。

 この蔵の主銘柄は長らく「尊皇」だったが、2002(平成14)年から、「夢山水」で醸した酒「奥」を発売している。今回は例外的に「夢吟香」を使用し、「奥」を名乗った。

 使用米の「夢吟香」(ゆめぎんが)は愛知県農業総合試験場作物研究部が、母「山田錦」と父「育酒1764」を交配、2010年に命名、2012年に種苗法登録された新しい酒造好適米だ。

 蔵のホームページによると、1920(大正9)年に商標「尊王」使用、1931(昭和6)年から「尊王」の連合商標として「尊皇」使用している。

 コトバンクによると、「尊皇」の由来について「酒名は、近くの古刹・祐正寺に掛けられている源千秋の書による額『尊皇奉佛』にちなみ命名」と説明している。「尊皇奉佛」とは、天皇制と仏教の融合という、当時の政教一致の意味である。

酒蛙

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