×
メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4017】山縣 Art Label 純米(やまがた)【山口県】

2019.10.23 15:20
山口県周南市 山縣本店
山口県周南市 山縣本店

【S居酒屋にて 全12回の⑦】

 年に1~2回飲んでいる5人グループ。もともとTとわたくしは仕事で知り合い、よく2人で飲んでいた。Tの友人が次々に加わり5人のメンバーとなった。場所は、酒の種類が非常に多いS居酒屋だ。キャパも大きい。しかし、キャパの割りには静か。キャパの大きい大衆居酒屋だと酔ってオダを上げる客が多く、隣りの仲間と話すのにも一苦労するほど騒々しい。しかし、ここはオダを上げる客はおらず、全体的に上品な雰囲気。なんてったって、東京・銀座の居酒屋だから。

「初亀」「田光」「西條鶴」「二世古」「奥」「萩の鶴」と飲み進め、7番目にいただいたのは「山縣 Art Label 純米」だった。単純に、フグラベルに惹かれての選択だ。別にフグに合わせる酒ではないだろうが、山口県=フグのイメージを具現化したもので、単細胞的感覚がなんだか笑える。山縣本店のお酒は、当連載で2種類を取り上げている。この酒はどうか。いただいてみる。

 香りを抑え、旨みと酸がしっかりと出ている。旨みと酸といえば、直前に飲んだ「萩の鶴」もそうだが、「山縣」は「萩の鶴」に比べ、かなり庶民的な味わいだ。余韻の渋みが長く続く。この渋みが非常に印象的なお酒だ。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合60%、原料米 山田錦100%(山口県産)、アルコール分15.5度、製造年月2019.6、日本酒度+4.0、酸度1.3、味わい やや辛口、書家 杉田廣貴、ラベルデザイン 大阪芸術大学短期大学部デザイン美術学科 谷野静香」。このフグは「消しゴムはんこ」で描かれた絵とか。

 また、裏ラベルには以下の文章が掲載されている。

「我々はいつから、お酒を『頭で飲む』ようになってしまったのでしょう。本来のお酒の楽しみ方は、その土地の風土や造り手の哲学が1本のボトルに表現されたお酒を、それぞれの飲み手が自らの『感性』でもって楽しむことが一番だと考えます。コンセプト・ワーカーズ・セレクションは、このような『感性に訴えるモノづくり』を一番に開発された商品たちです」

 全国の18酒蔵がこれに参加している。「山縣」もその一つで、今回の酒は、このセレクションの商品の一つ。セレクションの商品の裏ラベルには必ず、この口上が掲載されている。

酒蛙

関連記事 一覧へ