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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4016】萩の鶴 R30 特別純米(はぎのつる)【宮城県】

2019.10.22 14:30
宮城県栗原市 萩野酒造
宮城県栗原市 萩野酒造

【S居酒屋にて 全12回の⑥】

 年に1~2回飲んでいる5人グループ。もともとTとわたくしは仕事で知り合い、よく2人で飲んでいた。Tの友人が次々に加わり5人のメンバーとなった。場所は、酒の種類が非常に多いS居酒屋だ。キャパも大きい。しかし、キャパの割りには静か。キャパの大きい大衆居酒屋だと酔ってオダを上げる客が多く、隣りの仲間と話すのにも一苦労するほど騒々しい。しかし、ここはオダを上げる客はおらず、全体的に上品な雰囲気。なんてったって、東京・銀座の居酒屋だから。

「初亀」「田光」「西條鶴」「二世古」「奥」と飲み進め、6番目にいただいたのは「萩の鶴 R30 特別純米」だった。萩野酒造のお酒はこれまで、当連載で「萩の鶴」18種類、「日輪田」10種類の合わせて28種類を取り上げている。飲む機会が多い酒であり、しかもわたくしの口に合うお酒だから種類を飲んでいる、という結果になるのだろう。酸と旨みが感じられる、重からず軽からずのすっきりしたきれいな飲み口で、まったく飲み飽きしない、しかも品のあるお酒だという好印象を持っている。造り手の品格が、そのままお酒にあらわれているようなお酒が多い。わたくしが大好きな造り手の一人だ。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 酒蛙「旨みと酸を感じる。後味は適度な辛みで、キレが良い」
 N 「ほほーっ、こんな味のお酒ですか。いいですね」
 S 「これは飲みやすい」
 N 「酸が良く出ている」
 酒蛙「旨みも出ている。メロン似の香りで、みずみずしさがある。やわらかな口当たり」
 N 「これ、美味しい。上品なお酒だ」
 酒蛙「めちゃ旨い。旨みたっぷりながら、上品感がある」
 N 「後味も良く、非の打ちどころが無い」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、アルコール分15度、精米歩合60%、製造年月2019.8」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 また、裏ラベルには以下の文章が掲載されている。

「我々はいつから、お酒を『頭で飲む』ようになってしまったのでしょう。本来のお酒の楽しみ方は、その土地の風土や造り手の哲学が1本のボトルに表現されたお酒を、それぞれの飲み手が自らの『感性』でもって楽しむことが一番だと考えます。コンセプト・ワーカーズ・セレクションは、このような『感性に訴えるモノづくり』を一番に開発された商品たちです」

 全国の18酒蔵がこれに参加している。「萩の鶴」もその一つで、今回の酒は、このセレクションの商品の一つ。セレクションの商品の裏ラベルには必ず、この口上が掲載されている。

 酒名「萩の鶴」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「ここ金成有壁(かんなりありかべ)は、その昔『萩の村』と呼ばれていました。その名の通り萩の花の美しさで知られ、今でもたくさんの萩が見られます。そこから『萩』をとり、縁起のよい『鶴』と組み合わせて名付けました。昔から地元で幅広く愛されてきた当蔵の中心銘柄で、宮城らしいキレイでスッキリとした飲み飽きのしない酒質を目指します。味の濃すぎない上品な和食や、クセの強過ぎない新鮮な海の幸等と合わせて欲しいお酒です」

酒蛙

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